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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

新型コロナに罹らない生活とは…ワクチンや解熱剤の使用で免疫力低下の恐れも

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事
【完了】新型コロナに罹らない生活とは…ワクチンや解熱剤の使用で免疫力低下の恐れもの画像1
「Getty Images」より

 久しぶりに、中央線沿線のある駅に降り立ちました。この沿線はよく乗るのですが、この駅で降りたのは数十年ぶりです。同じような高架駅がいくつか続き、居眠りしていたりすると、どの駅かわからなくなったりします。

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 相も変わらず駅周辺には小さな酒場や定食屋などが軒を連ねていますが、よく見ると昔とは違う店だったりして、時代の流れみたいなものを感じます。しかし、かすかな記憶をたどると、確かにこの店で呑んだことがある、などと思い出したりして、妙になつかしい気分を味わいました。

 ふらふらと駅の周りを散策しながら、ちょうどランチ時で気が向いたので、良さげな蕎麦屋に入りました。蕎麦の味もよく、オーダーした田舎蕎麦は、ボッキボキで筆者の好みだったのでした。

 店は4人掛けのテーブルが3つと、2人掛けが2つ、というこじんまりしたもので、ご夫婦で営業されています。2人掛けのテーブルが空いており、そこに案内され座るとすぐに次のお客が入ってきました。筆者と同じくオジサンの1人客。オーダーを済ませると、またお客が入店し、これで満席。ふと思ったのは、お客全員が高齢者ということです。

 数十年前、筆者ももちろん若かったのですが、この町は若者中心の町でした。つまり、あの頃の若者たちが、そのまま年を重ねて今に至っているということなのでしょう。

 筆者のあとに入ってきたオジサンは、昼間ですが焼酎のお湯割りと鴨のつけ汁蕎麦をオーダーし、すぐに文庫本を開いて読み初めました。もうひとりのオジサンも、店にあった新聞をめくっています。店内を見渡すと、誰ひとりとしてスマートフォンをいじっている客はいません。いいですね、この雰囲気。キャストが年を取っていますが、シチュエーションとしては数十年前そのままです。

 たぶん、皆さんすでに仕事はリタイアし、そこそこ老後の資金もあって、悠々自適に暮らしていらっしゃるのではないでしょうか。そのような、のんびりした雰囲気が伝わってきます。

 しかし、その本来であればゆったりと暮らしたいはずの高齢者が今、危機にさらされています。インフルエンザや、新型コロナウイルスが蔓延し、まるで高齢者を狙って直撃するかのようなありさまです。

免疫力を落とさない生活とは?

 細菌やウイルスなどによる感染症に罹ると、私たち高齢者は重篤になることがあります。それはなぜかというと、偏に免疫力が落ちているからです。免疫細胞の数は限られています。年齢を重ねると、その免疫細胞の数は徐々に少なくなっていき、外敵と闘えなくなってしまうわけです。

 ワクチンを接種すればいいという考えもありますが、基本的にワクチンを接種すると免疫細胞を多く使うことになってしまうので、結果的には免疫力が落ちます。ワクチンも病原体が不活性であるとはいえ、体にとっては外敵であることに変わりありません。インフルエンザワクチンも肺炎球菌ワクチンも同じことです。

 ウイルスに罹患していることに気づかずに、そのウイルスとは別のワクチンを接種してしまった場合、免疫力を落としてしまうので、最初のほうのウイルスが活発化してしまうこともあると考えられます。これは高齢者だけではなく、子供にも同じことがいえます。

 かねてより筆者はワクチン接種に関して、もっと慎重であるべきと主張してきましたが、その考えは今も変わっていません。筆者自身も家族も、いかなるワクチンも接種していませんし、今後も摂取する考えはありません。例外的に、海外に渡航する時に、風土病などのワクチンを接種することまで否定はしませんが。

 そして、あえて申し添えておくと、筆者は医療関係者ではないので、これはあくまでも、一般人としての主張です。しかし、知り合いの医療関係者の多くは、筆者と同意見でもあります。

 また、感染症に罹った時に、やたらと解熱剤を用いることも良いとはいえません。多くの場合、発熱は体の正常な反応です。解熱剤を用いるということは、体ががんばって闘っている時に、闘うのをやめろと言って冷水を浴びせるようなものです。ただし、高齢者や、子供の発熱が長期にわたる場合は、タイミングを見て、解熱剤を投与することが必要な場合もあると思います。それを見計らうのも、医師の重要な仕事だと筆者は考えます。特にウイルス性の感染症の時は、発熱することによって体がウイルスと闘っているので、むやみに熱を下げてしまうと、かえって悪化することもないとはいえないと思われます。

 感染症は、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの基礎疾患があると重篤になってしまう確率が高くなりますが、それはそれらの疾患が炎症という病理と深く結びついているためです。体の中に炎症を抱えていると、常に免疫が働き続けることになります。つまり、限られた数の免疫細胞が、炎症を鎮めるほうに使われてしまい、外敵(細菌やウイルス)が侵入してきたことに対応できなくなり、防波堤を突破されて外敵の侵入を許すことになるのです。

食生活の改善で生活習慣病を予防する

 これからの時代、これまで以上に感染症には気をつけなくてはいけなくなるでしょう。特に、新しいタイプのウイルスが出現することは想定しておかなければなりません。それが自然界で起こることであれ、人為的なものであれ、基礎疾患があることで重症化しやすいということに変わりはありません。

 基礎疾患とは、要するに生活習慣病のことです。生活習慣を改め、基礎疾患とは無縁でいなければいけません。特に高齢者は。

 そのための第一歩は言うまでもなく、正しい食生活を続けることです。それは、お金がかかることではありません。筆者が以前から言い続けているように、健康という言葉に「康」の字がついているのは、健やかでいるためには康が必要、という戒めのためなのです。康というのは、穀物の硬い殻のことです。白米を食べていたのでは、康を摂取することはできません。高齢者のみならず、健康でいたいと思っている方は、食事から康を抜いてはいけません。それこそが第一歩である、ということにお気づきいただきたいと思います。康を摂るために誰でもが手軽にできる方策は、“三分づきの米”を食べることです。

 蕎麦はイネ科の植物ではないので「穀物」とは呼べませんが、それに準ずる、ということで「擬穀物」といいます。件の蕎麦屋の田舎蕎麦は、玄蕎麦を挽いたもので、色も黒っぽく、擬穀物の硬い殻が入っていたので、これは合格ということにさせていただきます。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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