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現役マネージャーが語る、芸能ニュース“裏のウラ”第21回

“豪腕”飯島三智氏と“お嬢様”のジュリー喜多川氏…SMAP解散を回避できた可能性

芸能吉之助(現役芸能プロマネージャー)

geinou

 どうも、“X”という小さな芸能プロダクションでタレントのマネージャーをしている芸能吉之助と申します。

 いやぁ、手越くん、またやっちゃいましたねぇ〜! 「週刊文春」(文藝春秋)が、緊急事態宣言発令中の4月下旬に、NEWSの手越祐也くんが都内飲食店に複数女性を集めてパーティーを開いたことを報道。それを受けジャニーズ事務所は、期間限定チャリティーユニット「Twenty★Twenty」(通称トニトニ)のメンバーから手越くんを除外すること、さらには手越くんの芸能活動自粛までをも発表しました。

 トニトニはKinKi Kidsや嵐など、ジャニーズのCDデビュー組15組が参加するユニット。新型コロナウイルスに関する医療支援活動の一環として、Mr.Childrenの櫻井和寿さん書き下ろしのチャリティーソングを歌う予定になっています。これまで数々のスキャンダルを事務所に見逃してきてもらった手越くんですが、さすがに今回のプロジェクトにはふさわしくないと判断されたようですね。なんたってステイホーム期間中に“キャバクラ手越”だもんなあ。これを受けて手越くんがジャニーズ事務所からの退所の意向を示しているとの報道も出ており、予断を許さない状況になっていますね。いやあ、NEWSは本当に不運なグループですね……。

 さて、今回の出来事で改めて注目されたのが、ユニットのプロデューサーを務めることになっている滝沢秀明くんの影響力の大きさ。今回の手越くんに対する厳しい処分は、滝沢くんの判断によるものだといわれていますよね。

“豪腕”飯島三智氏と“お嬢様”のジュリー喜多川氏…SMAP解散を回避できた可能性の画像2
手越祐也を擁するNEWSの現時点での最新シングル「トップガン/Love Story」(2019年6月にジャニーズ・エンタテイメントより発売、写真は初回限定“トップガン”盤ジャケット)

“ゴリ押し”とも批判された「滝沢戦略」のすごみ

 2018年に芸能活動を電撃引退した滝沢くんは、その後すぐにジャニーズJr.のプロデュースを行うジャニーズ子会社の代表取締役社長に就任。2019年9月からは、ジャニーズ事務所の副社長にも就任しています。

 滝沢くんはかなり精力的に動いているようで、ジャニーズのSNS解禁推進や、Jr.の2グループ「SixTONES(ストーンズ)」「Snow Man(スノーマン)」を同時デビューさせたのも滝沢くんの手によるもの。まあこの2グループの同時デビューについては「タッキーのえこひいき」「ゴリ押し」などと叩かれもしましたが……。きっちり結果を出してくるあたりはさすがです。

 2グループのデビューシングル「Imitation Rain/D.D.」は発売初週売上132.8万枚を記録してオリコン週間シングルランキング1位を達成。“史上初のデビューシングル初週ミリオン達成”と大きく報じられていました。といっても、この数字はSixTONESとSnow manそれぞれの売上を合算した数字。「発売レーベルも違うのになぜ合算……?」と、ファンの間や業界内ではなんとなくモヤモヤする空気もありました。

 でもやっぱり、2組のデビューをこういう形にしたのは斬新な試みだし、CD発売前の露出もものすごかった。セブン-イレブンとコラボしたり、『an・an』の表紙にこの2組をともに登場させたり。SixTONESのデビュー曲「Imitation Rain」はX JAPANのYOSHIKIさんという大物を引っ張ってきてますしね。最初にONE OK ROCKのTakaさん(元NEWSのメンバー)に依頼したというウワサもありましたが……それが実現したらメチャメチャ面白かったですけどね(笑)。滝沢くんが直接動いていたってことは、そのくらいのことはやろうとしてたんじゃないかな?

 こういうやり方に「ゴリ押し」と批判も集まっていたけど、このあたりの戦略はさすが滝沢くんだな、と。タッキーが、そしてジャニーズが「売るぞ」と本気を出したら、このくらいの結果はきっちり出せるということが証明されたと思います。

“豪腕”飯島三智氏と“お嬢様”のジュリー喜多川氏…SMAP解散を回避できた可能性の画像3
2020年1月にソニーミュージックより発売されたSixTONESのデビューシングル「Imitation Rain/D.D.」。Snow Manとの同時デビュー作であり、SixTONESとSnow Manが互いのデビュー曲を互いに収録するという異例の形態となった。

基本的には“お嬢様”タイプのジュリー喜多川氏

 ぼくがこの業界で働いていてつねづね感じているのが、やっぱり、タレントも事務所のスタッフも、結局は「トップの人柄」についていくんだということ。ジャニーズは完全に、2019年7月に亡くなったジャニー喜多川社長の求心力によって成り立っていた事務所であり、それを継げるのが結局滝沢くんしかいなかったんだと思います。

 本来はジャニーさんの娘である藤島ジュリー景子さん(現・ジャニーズ事務所代表取締役社長)がそうであればよかったんですけど、ジュリーさんって、基本的に“いい人”なんですよね。お嬢様タイプというか、まあ実際お嬢様ですしね。

 元SMAPマネージャーの飯島三智さんが、大きな権限を持って現場では有無を言わせない雰囲気を醸し出し、業界内に“アンチ”も多かったほどの“豪腕”だったのに対し、逆にジュリーさんは、業界内でも「ジャニーズ幹部のなかでは仕事がしやすいタイプ」といわれるような、非常に常識的なタイプなんですよね。

 それって、“人間”として考えればまっとうだし非常に正しいんだけど、やっぱりこの業界で芸能事務所のトップに立つなら、それだけでは難しいわけです。トップに立つほどのカリスマ性が足りない……といってしまうとちょっと言い過ぎでしょうけど、やっぱり、仕事がデキるとか周囲を巻き込んで物事を決めて進めていく力があるか……という視点でいえば、飯島さんのほうがすごすぎたんだろうと思いますね。

木村拓哉はなぜ復活を遂げたか?その人間力、ほの見える“過去の盟友”飯島三智氏の手腕の画像3
2015年9月にビクターエンタテインメントより発売されたSMAPの55枚目のシングル「Otherside/愛が止まるまでは」の通常版ジャケット。SMAPの事実上のラストシングルとなった。

メリーさんを抑える“人間力”がジュリーさんにあれば、SMAP解散はなかった?

 本当のことはわからないけど、ジャニーさんは、飯島さんのほうが優秀だから、この子が社長をやるべきだと考えていたといわれています。飯島さんとメリー喜多川さんが「週刊文春」の取材をきっかけに対立した時に、「お母さん、やめなよ」と言える“人間力”がジュリーさんにあれば、SMAP解散騒動のようなことにはならなかったかもしれないですよね。まあそもそも、ジュリーさんが飯島さんのことを認めていたかどうかはわかりませんが……(笑)。

 滝沢くんはまだ若いし、裏方の仕事を始めたばかりで、ジャニーさんほどの求心力はまだないと思います。でも、滝沢くんといえば、ジャニーズJr.時代から「東のタッキー、西の(渋谷)すばる」と称されるほど絶大な人気を誇り、のちに嵐や関ジャニ∞となるメンバーや、山下智久、風間俊介、生田斗真などが在籍した、1990年代後半の「ジャニーズJr.黄金期」を牽引したスーパースター! 10代半ばから、先輩・後輩含む約120名のジャニーズJr.のリーダーを任され、ジャニーさんの助手としオーディションにも立ち会っていたそうです。すごいですよね、その若さでいったいどれほどジャニーさんから信頼されてたんだか……。

 また、面倒見がよく後輩から慕われているのはもちろん、先輩タレントたちからも一目置かれる存在であることもよく知られています。特に、ジャニーさんの誕生パーティーの幹事を任された際のエピソードは有名ですよね。滝沢くんが一声かけただけで近藤真彦さん、中居正広さん、東山紀之さんら事務所のベテラン組もこぞって出席、当日インカムを装着して指示する姿は、TOKIOや嵐などが自身の番組で絶賛するほど完璧な仕切りぶりだったそうです。主演舞台「滝沢歌舞伎」シリーズの演出などで培ったプロデュース力は、舞台外でも発揮されていたんですね〜!

 そんな人気・能力・人望を兼ね備えた彼ですから、タレントたちも、全員ではないにしろ「滝沢くんならばついていきたい」と思う人たちは多いでしょう。これから先、嵐の活動休止(東京オリンピック延期のため、それもどうなるかわかりませんが)や、長瀬智也くんがジャニーズを退所するというウワサもあり、いろんなものが離れていってしまうのは避けられないと思いますが、“新生ジャニーズ”の象徴となり、ジャニーズを引っ張っていく存在が滝沢くんであることは間違いないと思いますね。

(構成=白井月子)

“豪腕”飯島三智氏と“お嬢様”のジュリー喜多川氏…SMAP解散を回避できた可能性の画像1
現役時代の“タッキー”こと滝沢秀明。1982年生まれ、現在38歳である。

芸能吉之助/芸能マネージャー

芸能吉之助/芸能マネージャー

弱小芸能プロダクション“X”の代表を務める、30代後半の現役芸能マネージャー。趣味は食べ歩きで、出没エリアは四谷・荒木町。座右の銘は「転がる石には苔が生えぬ」。

Twitter:@gei_kichinosuke

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