新型コロナウイルスの影響による自粛生活やテレワークなどで「コロナ太り」「自粛太り」に悩む人が増えている。そんななか、代謝が落ちる40歳を過ぎてから「運動なし」のダイエットに挑み、リバウンドなしで体重を維持し続けている女性がいる。
『40年間おデブだった私がリバウンドなくスッキリ13Kgやせた!! マインドフルネスダイエット』(主婦の友社)の著者で、心理カウンセラーやダイエットインストラクターとして活躍する吉村園子氏だ。吉村氏に、コロナ太り対策について聞いた。
運動によるダイエットはすべてリバウンド
――ダイエットというと「食事制限と運動」の両軸が基本だと思うのですが、吉村さんは運動なしでダイエットに成功していますよね。なぜ運動なしにしたのでしょうか。
吉村園子氏(以下、吉村) 運動を否定しているわけでなく、体を動かすのが好きな方がダイエットする上で運動を取り入れることは、とても有効だと思います。ただ、私は運動が大嫌いなんです。過去には水泳やランニングや筋トレなど、さまざまな運動によるダイエットを試したのですが、すべてリバウンドしました。なので、運動を取り入れたダイエットをしようとすると、過去のつらく苦しい経験が頭をよぎり、なかなか実行に移せなくて。そこで、「運動なしのダイエット」にしてしまえばいいのだと気がつきました。
運動嫌いの方がダイエットに成功するには、「運動なしのダイエットをする」と決めてしまうことです。運動を取り入れたダイエットをするよりも、良い結果が期待できると思います。
お菓子や酒は“ストックNG”食品
――「コロナ太り」「自粛太り」で困っている人も多いと思います。その原因と対処法などについて教えてください。
吉村 大きな原因のひとつに、「買いだめ」「自宅の食品のストック」があると思います。十分な食品が自宅にあると、お腹がすいているわけでもないのに、「ただ口寂しいレベル」でつい間食してしまう。特におやつは血糖値が急上昇するものが多く、食べれば食べるほど、さらに食べたくなってしまう「低血糖の負のスパイラル」に陥りやすいです。
――「口寂しい」程度で食べてしまうって、身に覚えがありすぎます。ただ一方で、ウィズコロナの生活において、買い物の回数をなるべく減らして、という指針もありますよね。
吉村 はい。「食品をストックできないなんて、ダイエットどころじゃないわ」と不安になってしまうと、ダイエットもうまくいきません。多めに買ってストックしておかないと不安という方には、「ストックをしない」のではなく、「ストックする食品の種類を選別すること」を提案します。ストックOKの食品は豆類、種実類、海藻類、野菜類、魚介類、肉類、きのこ類、芋類です。逆に、ストックNGの食品は「お菓子・酒・小麦粉製品(パン、うどん、パスタなど)」です。
――まずは太りそうなものをストックしないことからですね。
吉村 はい。やめたい習慣は、ハードルを上げるといいんです。お菓子の場合、ストックをなくして、食べたいと思ったときは洋菓子店や和菓子店などの専門店にわざわざ買いに行き、いつもより3倍高いものを食べるようにするといいですよ。
――そうまでして食べたいか、となってしまいそうですね。
吉村 お腹がすいていたのでなく、ただ単に口寂しかったことに気がつくことができますよね。ただ、こういった高いハードルを越えてでも食べたい、となる場合は、本当に食べたいということですから、そのときは堂々と食べてください。
まずストック菓子をなくすことで、自分でもコントロールできない食欲とうまく付き合うことができるようになります。それでも口寂しいときは15分間、ガムやするめを噛むことをおすすめします。噛むことには満腹効果がありますし、セロトニンという幸せホルモンが増えると言われています。セロトニンが少ないと食欲のコントロールができないとも言われていますので、ぜひ「噛む」をダイエットに活用しましょう。
――ありがとうございました。
吉村氏の話を聞き、酒の買い置きをやめることにした。ボトルやケースで買うと割安だが、家に酒があれば自然と夕飯が晩酌になってしまう。そして、酒を飲むとタガが外れて自制が利かなくなり、満腹でも食べ続けてしまうのだ。飲まない日も増えたので、トータルコストでは案外安く済んでいる気もする。後編も引き続き、吉村氏にダイエットを成功させるための考え方についてうかがっていく。
(構成=石徹白未亜/ライター)
『40年間おデブだった私がリバウンドなくスッキリ13Kgやせた!! マインドフルネスダイエット』 運動ゼロ! ストレスなし! リバウンドなし! おかず8割、ごはん2割で食べる。3食の重要度ランキングをつくる。小麦粉を他の炭水化物に替える。期間、体重、なりたい人、出来事、プラス感情の設定。