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本当に「体に良い食べ合わせ」の秘密…栄養素を効率的に吸収するためには“油”が必須

文=赤石定典/管理栄養士、東京慈恵会医科大学附属病院栄養部
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「gettyimages」より

 前回、池袋大谷クリニック院長・大谷義夫先生との共著『疲れ知らずで病気にならない 名医が教える科学的に正しい食べ合わせ』(KADOKAWA)から、健康寿命を延ばすための「食べ合わせ」についてお伝えしました。今回も、ビジネスパーソンに役立つ食材や食事法についてご紹介します。

 前回、ビタミンAなどのに溶けやすいビタミン(脂溶性ビタミン)や、トマトに多く含まれるリコピンは、油と一緒に摂らなければあまり吸収できないことをお伝えしました。ビタミンCの6000倍の抗酸化力があると言われる「アスタキサンチン」もカロテノイドの一種で油に溶ける性質があるので、油と一緒に摂らなければ効果を発揮しません。

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『疲れ知らずで病気にならない 名医が教える科学的に正しい食べ合わせ』(KADOKAWA/大谷義夫、赤石定典)

 このアスタキサンチンは、エビやカニといった甲殻類の殻の部分に多く含まれていますが、エビやカニの殻をどう食べればいいのでしょうか。ソフトシェルクラブなどの場合は、カニの殻ごと食べられると思います。エビの場合、たとえば自宅でエビの天ぷらやエビフライをつくったときに、不要になった殻を煎って水分を飛ばし、パリパリにして食べてください。また、殻ごと食べる干しエビやサクラエビはサラダやチャーハンに入れるなど、いろいろと活用することができます。

 同じように、ケールに含まれるルテインも、効果を発揮するためには油が必要です。何度も強調しますが、油は体に良い食べ合わせのために、なくてはならない役目を果たしているのです。

 体脂肪を減らすと言われている中鎖脂肪酸(MCT)、たとえばココナッツオイルやパーム核油、母乳、牛乳などに含まれる天然由来の成分は、酸化に弱いことで知られています。同様に、オメガ3の脂肪酸、EPAやDHA、えごま油や亜麻仁油は酸化しやすく熱に弱いので、天ぷらや炒め物などには絶対に使ってはいけません。

 それらは、そのまま飲むか、でき上がった料理にかけるか、ヨーグルトなどに混ぜるか、あるいはサラダのドレッシングなどに活用するのがいいでしょう。

ストレスをためない食事のコツ

 ストレスフルな現代社会でストレスをためないためには、カルシウムを多く含む食べ物や、カルシウムの吸収を良くするためのビタミンDを含む食べ物を積極的に食べましょう。また、GABAが豊富な白味噌と細かく刻んだ白菜を組み合わせた味噌汁をおすすめします。

 シラス干しやメザシ、シシャモ、サクラエビなどは、骨や殻ごとカルシウムを摂取できる、カルシウムの宝庫。カルシウムとビタミンDを一緒に摂るには、シラス干しやニシンがいいでしょう。

 また、そばにはトリプトファンなどのタンパク質やビタミンB群が豊富で、マグネシウムも含まれています。栄養価もその質も高く、食物繊維も豊富に含んでいます。そばに含まれるルチンは、ビタミンCの吸収とその働きを高めてくれます。

 さらに、“最強の調味料”のお酢は、吸収されにくいと言われるカルシウムと一緒に摂ると吸収率を高めてくれます。おすすめは、なんといっても小アジの南蛮漬け。EPA、DHAが含まれている小魚を丸ごと食べることができ、酢酸によってカルシウムの吸収が上がります。

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