輸入食品、9割が無検査で食卓に…中国産、突出した衛生法違反件数の多さ、野菜に要注意の画像1
「Getty Images」より

 私たちの食生活は、今や輸入食品に取り囲まれている。食パンやうどんは大部分が、ラーメンの麺はほぼ100%が輸入小麦でつくられている。牛肉は65%、豚肉は51%、野菜は21%、果物は62%、大豆は94%、食用魚介類は44%、乳製品は41%が輸入品である。

 これらの食品は輸入時に漏れなく検査され、私たちは安全な輸入食品を食べていると信じているが、それは神話である。厚生労働省は令和元年度(2019年度)の輸入食品検査統計を発表した。この最新データで明らかになったのは、過去最高の254万4674件(輸入量3327万3000トン)の食品輸入があったのに対して、食品衛生法に基づく検査件数は21万7261で、検査率はわずか8.5%、実に91.5%が無検査で輸入されていたということであった。この検査率は、2008年度は12.7%であったのに対して下がり続け、ここ6年間は8%台で推移している。

 2018年12月に発効したTPP11や19年2月に発効した日EU経済連携協定、20年1月に発効した日米貿易協定など、メガ輸入自由化で輸入食品の件数は増え続けている。08年度には輸入件数は175万件であったが、10年度には200万件を超え、19年度には254万件を超えた。こうした輸入食品の急増に対して、輸入食品の検査が追いついていないのだ。

 では、輸入食品の食品衛生法違反状況がどのようになっているかを見てみる。厚生労働省によると、国別違反状況は中華人民共和国が185件でもっとも多く、総違反件数に対する割合は24.2%で、違反の概ね4分の1が中国からの輸入食品ということになる。

 次いで、アメリカ合衆国が136件(17.8%)、ベトナム社会主義共和国が58件(7.6%)、インド共和国(5.9%)タイ王国及び台湾(4.8%)となっている。中国、米国、ベトナムの3カ国で輸入食品の違反件数の5割を超えているが、そのなかでも中国は違反件数としてはダントツである。この間、メディアでは中国食品の安全性について特集が組まれてきたが、根拠のあることであることがわかる。

 中国について見てみると、令和元年度(2019年度)に中国から輸入された輸入食品は、輸入件数84万2228件で382万トンも輸入されている。これに対して検査数は8万102件、検査率は9.5%であった。これに対して、185件の食品衛生法違反が摘発された。検査率は平均の8.5%よりは高いが、90%以上が無検査で輸入されている。中国からは、玉ねぎ、ネギ、ゴボウなど各種野菜が大量に輸入されており、過去にも残留農薬違反がたびたび指摘されてきた。果たして、このような低い検査率でいいのか、疑問が残るところである。

(文=小倉正行/フリーライター)

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