ブランド名の由来である“印の無い良い品”を体現するような、シンプルかつ高機能な生活用品を販売している「無印良品」。2020年2月期現在、全世界で1033店舗を展開しており、この数字からも生活雑貨ブランドとしての規模の大きさがうかがえる。
しかし、運営会社「良品計画」が7月10日に発表した2020年8月期(2020年3月~5月)の決算公告によると、営業収益は787億5300万円と前期比29.9%減。また、営業損失は28億9900万円、経常損失36億6500万円の赤字という結果になっている。外出自粛の影響をモロに受けてしまったのだろう。
直近の数字はさておいても、高品質・高機能な商品を長年展開してきたことで培ったブランド力は確かなもの。そこで、今回「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」は無印良品の豊富なラインナップから、この秋買うべき商品を5つ選出した。この秋のお買い物に役立てていただければ幸いである。
エッセンシャルオイル・おやすみブレンド 10ml/1490円(税込、以下同)
無印良品はアロマ・フレグランスの関連商品も充実しており、最近ではブランドを構成するジャンルのひとつになりつつある。そんななか去年、Twitterでバズって完売する店舗が続出したのが「エッセンシャルオイル・おやすみブレンド」だ。
同商品を使った感想を、ひとりのTwitterユーザーが「本当に深く ぐっすり眠れるので驚いた」と紹介したところ、10.8万の「いいね」がつき、購入する人が続出。あくまで個人の感想ではあるが、「数十分後に強烈に眠くなり寝落ちしてしまった」「自我が曖昧になる」「普段2回くらい夜中に目がさめるけど、朝までぐっすりだった」といったSNSでの声もあることから、その効果はバツグンなのだろう。
匂いを嗅いでみると、ベルガモットとスウィートオレンジが醸し出す柑橘系のスッキリ感が強いインパクトを放っているが、ホーウッドの深い香りがベースになっているおかげで、全体的には奥行きのある香りに仕上がっている。確かに、これは頭も体も休まりそうだ。もし高価なアロマディフューザーを持っていなくても、無印にはアロマオイルを垂らして香らせる「アロマストーン」が690円で販売されているので、デビューしやすいだろう。睡眠の質を上げたい方は、ぜひチェックしてみてほしい。
発酵ぬかどこ 1kg/890円
暑さも落ち着き新しいことに挑戦する意欲も湧いてくる秋に、ぜひともオススメしたいのが、無印の「発酵ぬかどこ 1kg」。この商品は昨今の健康ブームや発酵食品ブームに後押しされてか、2018年に発売されて以来、店頭に並ぶと即完売してしまうほどの熱烈な人気を誇る商品なのだ。
この商品の魅力は、なんといっても、ぬか漬けデビューするにあたってぶち当たる最初の難関・ぬかどこづくりの工程をすべてカットできるところだろう。すでに発酵しているぬかが1kg入っているため、購入して野菜を入れておくだけで、簡単にぬか漬けデビューができるのだ。
パッケージの裏面に野菜ごとの漬けおき時間の目安が書いてあるので、これに従って進めていけば失敗なく美味しくぬか漬けがつくれる。実際、スーパーで購入したきゅうりを放り込んで12時間漬けておくだけで、おつまみにもおかずにもなるきゅうりのぬか漬けが完成してしまったので驚いた。みなさんもこの秋、ぬか漬けデビューしてみてはいかがだろうか。
片面クリアケース 120×190mm・ホワイトグレー/99円
無印の「片面クリアケース 120×190mm・ホワイトグレー」は、カバンのなかで散らばりがちなイヤホンやコードなどを収納しておけるということで、かねて人気がある商品だ。しかしこの商品、最近はこのご時世ならではの使い方が話題を呼んでいる。
なんとこのケース、不織布製のマスクを入れるのにピッタリなサイズ感なのである。Twitterで検索すると、“一時的なマスクケース”として使っているユーザーが一定数いるようで「びっくりするくらいぴったり」「予想以上にジャストサイズやった」と、そのピッタリ具合に感動する声が散見される。
不織布製のマスクは気がつくとボロボロになっていたり、出先で紛失したりしまいがち。しかし、この「片面クリアケース 120×190mm・ホワイトグレー」に予備のマスクを2~3枚入れて携帯しておけば、いつでも新品をおろせるようになり、かなり助けられるだろう。ただ、抗菌加工はされていないので、一度使ったマスクは入れないようにする、定期的に除菌をするなどの工夫をする必要があることは心に留めていただいたい。
ブナ材洋服ブラシ 豚毛・約幅6.5×長さ24cm/690円
秋も深まり、いよいよ秋服・冬服の出番だろう。しかし、長年着ているニットやセーター、コートを久しぶりに見てみると、毛玉がビッチリ、なんてことも少なくない。そんな時に役立ってくれるのが、「ブナ材洋服ブラシ 豚毛・約幅6.5×長さ24cm」だ。
この商品は、ブラシ部分に使われているコシの強い豚の毛が、服についたホコリや毛玉をゴソッと掃き落としてくれるというもの。一見シンプルな洋服ブラシに見えるが、2020年の冬にTwitterユーザーがこのブラシで冬物コートをブラッシングし、コートが新品のように生まれ変わったビフォーアフターを投稿したところ、瞬く間に人気に火が点いたのだ。
実際に使ってみたところ、素材にもよるのかもしれないが、毛玉がみるみる取れるというよりは、毛並みや毛流れが整うことで生まれ変わって見える、と言ったほうが近いように感じた。しかし、くたびれていたセーターやコートが見違えるようになったのは事実。冬物のお手入れのために1本持っておくと重宝するかもしれない。
ステンレス保温保冷マグ 約200ml/990円
無印良品では、通勤や通学のお供にピッタリなボトルが数多く用意されている。そんななかからこの秋オススメしたいのが、「ステンレス保温保冷マグ 約200ml」だ。
同商品は、その名の通り保温も保冷も可能なコンパクトサイズのボトル。気分によって冷たい飲み物が飲みたくなったり、温かい飲み物を飲みたくなったりするこの季節にはよく働いてくれそうだ。また、夏ほどこまめに水分補給をしなくなる秋・冬は、本品の200mlという容量が実に痒い所に手が届く塩梅なのも特長だ。
公式サイトのレビュー欄に「ガブガブ飲みたいわけでもない、かといって何も持たないのも不安だなという微妙な気持ちにフィットするボトル」とのコメントがあるが、まさにこの商品の魅力を集約している。1本持っておいて、損することはないだろう。
まだまだ、無印良品の買うべき商品は紹介しきれていない。ぜひとも店頭に足を運んで、ナイスな商品と出合ってほしい。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)
※2020年9月中旬時点の情報です。