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ヤマダから事実上クビ…大塚家具、あまりに遅すぎた久美子社長辞任、5年連続赤字でも居座り

文=編集部
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大塚家具が本社を置く東京ファッションタウンビル(「Wikipedia」より)

 10月28日、大塚家具は大塚久美子社長の辞任を発表。株式市場は、これを大歓迎した。発表直後から買いが殺到し、最後は33%高の前日比50円(ストップ)高の201円で引けた。翌29日には一時、前日比35円(17%)高の236円にまで上昇。2月10日の年初来高値(244円)に接近した。売買高は前日比36倍の1123万株に膨れ上がった。10月30日は、さすがに株価は反落。184円(29日の終値と比較して30円安)で終わった。

 大塚社長の辞任で、名実ともにヤマダホールディングス(HD)主導の経営となれば、将来に期待できると考えた個人投資家の買いが入った、ということだ。株式市場は久美子社長に「経営者失格」の烙印を押した。

黒字化できず引責辞任

 ヤマダHD傘下で経営再建中の大塚家具は10月28日、「大塚久美子社長が12月1日付で退く」と発表した。業績が振るわなかった責任を明確にしたいとして、「久美子氏が社長職と取締役の辞任を申し出た」という。ヤマダHD社長で大塚家具会長に就いていた三嶋恒夫氏が社長を兼務する。ヤマダHDの山田昇会長から引導を渡された恰好だ。

 大塚家具は10月28日、「未定」としていた2021年4月期の業績予想を発表した。売上高は304億円、営業損益は26億円の赤字、最終損益は28億円の赤字。20年4月期は決算月を12月から4月に変更した関係で16カ月の変則決算となったが、売上高は348億円、営業損益は76億円の赤字、最終損益は77億円の赤字だった。

 大塚家具は昨年12月、ヤマダ電機に第三者割当増資を引き受けてもらい、子会社となった。久美子社長の責任を問う声はすでにあったが、ヤマダの山田昇会長は「チャンスを与えないといけない ウチは結果主義。黒字にできるというからやらせる。(久美子社長に)1年は任せる」と語った。

 ヤマダが供給した家電と家具のセット販売は伸びたが黒字転換には至らなかった。21年4月期の最終損益が赤字なら5年連続の赤字となる。久美子社長は結果を出せなかった。辞表を出さざるを得なかったのだろう。事実上のクビだという見方もある。

 大塚家具は2015年3月の株主総会で、久美子氏と創業者である父親の大塚勝久元会長が経営権をめぐって委任状争奪戦を繰り広げ、久美子氏が勝利した。父と娘の骨肉の争いとして、テレビのワイドショーの餌食になった。勝久氏は会社を去り、16年から高級家具を扱う「匠大塚」を経営している。

「劇場型お家騒動」といわれた親娘ゲンカを制した久美子氏は、経営を立て直せないまま社長の座を追われる。大塚家の家業であった大塚家具は終わりを告げる。

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