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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

検察は安倍前首相の秘書逮捕で済ませる気か?自民党内で飛び交う“真相”と最悪のシナリオ

文=神澤志万/国会議員秘書
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安倍晋三前首相(写真:つのだよしお/アフロ)

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 10月26日に始まった第203回国会も、もう12月5日の閉会日に向けての準備に入りました。これほど、あっという間だったなぁと感じる国会もありません。

 閉会は決まっても、新型コロナウイルスの感染者数が急増していますから、しばらくは忙しい日々が続きます。コロナ禍は未曽有の事態とはいえ、国会の対応が後手に回っているのも事実です。批判を真摯に受け止め、これ以上感染が広がらないよう奔走していたところ、3連休最終日の11月23日に「東京地検特捜部が安倍前首相の公設秘書を任意で事情聴取していた」というニュースが入ってきて、びっくりしました。

 反社会的勢力との関連など何かと話題の「桜を見る会」の前夜祭をめぐり、安倍晋三前首相サイドが参加費用の一部を補填していたと関係者が証言したという、読売新聞のスクープです。

 この問題について、安倍前首相は国会で「後援会としての収入、支出は一切なく、事務所側が補填したという事実もまったくない」と答弁していましたが、関係者の証言で、それが嘘だと証明される可能性が出てきたのです。

 やはり、「官邸の守護神」だった黒川弘務・前東京高検検事長が賭け麻雀スキャンダルで失脚したことで、検察は堂々と動けるようになったのでしょうか。

 一連の報道を受けて、翌24日には野党が安倍前首相の国会招致を求めました。まぁ、自民党の森山裕国対委員長は「司法がやっていることに立法府が対応するのは慎むべきだ」と一蹴しましたけどね。自民党議員たちは「これが、安倍総理が唐突に辞めた真相だ」なんてため息をついていましたが、今後どうなるんでしょうか。

 それに、辞めたところで追及はされますからね。マスコミ関係者の間では、「検察は、秘書を逮捕して軽微な罪で済ませるつもりでしょうね。また死人が出ますよ」という見立てもあるようです。恐ろしい話です。

小沢一郎議員の「陸山会事件」とは

 国会議員が不祥事を秘書のせいにしたり、検察が秘書を締め上げて捜査を有利に運ぼうとしたりすることは、以前からありました。いろいろ思い出してしまうと怖くて震えが出ますが、みなさんのご記憶には陸山会事件(2009年)などがあるかなと思います。

 小沢一郎議員の資金管理団体である「陸山会」の資金管理をめぐって、3人の秘書が逮捕されて有罪判決を受けた事件です。小沢議員自身も検察審査会にかけられ、強制起訴までされましたが、結局は無罪でした。

 とはいえ、当時の野党だった自民党がマスコミと一緒に「小沢は説明責任を果たせ!」と大キャンペーンを展開していましたね。あの頃は、無罪が確定するまで1年以上にわたって議員会館の廊下に記者がたくさん来ていて、嫌な雰囲気でした。今の野党である立憲民主党などは、あの頃と同じくらいに安倍前首相を追及できるのでしょうか。

 この事件は結局何だったのか、今も検察の意図がわかりません。小沢議員を無理やり起訴しても結局無罪だったということは、もともと証拠がそれほどなかったということではないでしょうか。当時、まだ若手だった石川知裕議員などをちょっと荒っぽく取り調べれば、何かすごい証拠が出てくるなどと思っていたのだとしたら、甘いとしか言いようがないです。

 ちなみに、一部の報道では、安倍前首相の事情聴取の可能性も取り沙汰されていますが、永田町は来年の通常国会と総選挙の時期の方が気になっているのも本当のところです。

「1月8日開会」という報道もありましたが、これはないかなと思います。おそらく、早く解散総選挙をしたい某政党からの情報をもとにマスコミが流した、情報操作の意味合いが強いように感じます。だからといって、油断はできませんけどね。衆議院は「常在戦場」なのです。

 でも、国民は「総選挙にヤキモキしているより、コロナ禍対策に集中してほしい」と願っていると思います。菅義偉首相の適切な判断に期待したいですね。

(文=神澤志万/国会議員秘書)

『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。 amazon_associate_logo.jpg

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