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なぜ小籔千豊は『フォートナイト』にドハマリしたのか?吉本新喜劇との不思議な共通項

文=中村裕一
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 吉本新喜劇の座長であり、テレビでも活躍中のお笑い芸人・小籔千豊。座長として座員を取りまとめるリーダーシップもさることながら、その鋭い観察眼で重箱の隅をつつき、『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)などのトークバラエティーでもきっちり笑いを取る、粘っこい関西弁トークが持ち味の職人肌の47歳である。

 そんな彼が今、ドハマりしているのが、オンラインバトルロイヤルゲーム『Fortnite』(フォートナイト)だ。このゲームは、ヒカキンをはじめとする有名YouTuberたちがこぞってゲーム動画配信を毎日のようにアップしていることでも知られる大人気ゲームで、全世界で3億5000万人の登録プレイヤー数を誇る(開発・販売元のEpic Gamesが2020年5月時点の数字として発表したもの)、ケタ違いのゲームなのである。

 また、ゲーム内でプレイヤーが自分のキャラクターを動かす「エモート」というアクションに、世界的人気を誇るK-POPグループ・BTSの『Dynamite』が採用され、今年9月には同曲のミュージックビデオをゲーム内で世界初披露したことも話題となった。

 今さらいうまでもなく、新型コロナウイルスがエンターテインメント界を直撃した今年。コンサートツアーやライブは軒並みキャンセルか延期を余儀なくされるなか、お笑い芸人も例外ではなかった。4月の緊急事態宣言を受け、自粛期間中の芸人たちがこぞってYouTubeデビューを果たしたのは、今年ならではのトピックスのひとつともいえる。

「まず何よりも“密”を回避するため、大人数をスタジオに集めて大声でガヤガヤしたり、犬猿の仲の2人を揉めさせてケンカさせたりする番組や企画はできなくなった。ロケ番組でも人が集まるリスクを恐れ、これまでのように大々的に行うことはほぼ不可能に。そうなるとやれることも限られてくるし、残念ながら仕事が減ってしまう芸人さんが出てくるのも仕方がなかったです。今はだいぶ通常営業に戻ってきていますが、また波がぶり返したらどうなるかは正直わからないですね」(テレビ局プロデューサー)

ダイアン・津田、千原ジュニア、フットボールアワーの岩尾望・後藤輝基、そして吉本新喜劇メンバーとの豪華な共演

 そんななか、初めは息子がプレイしている様子を冷ややかに眺め、『Fortnite』の存在だけは知っていたという小籔。息子からしつこく勧められ、ある日、何気なく始めてみたところ激ハマり。ついには今年2月、「フォートナイト下手くそおじさん」と名乗ってゲーム配信デビューまで果たしてしまう。

 最初は自分の名前を明かさず、匿名でひっそりと配信をしていたが、悪戦苦闘しながらもひたむきにプレイを重ねる彼の動画に興味を持ったYouTuberやゲーマーが次第に集まるようになり、彼らに背中を押される形で4月にはカミングアウト。そこから爆発的に登録者数を増やしていき、現在は10.5万人にまで膨れ上がっている(2020年12月現在)。

 配信動画も芸人らしくサービス精神にあふれれている。自分ひとりでプレイする様子を配信するのは当然として、後輩芸人のダイアン・津田とその息子と一緒にプレイしたり、『Fortnite』初心者の千原ジュニアやフットボールアワーの岩尾望と後藤輝基にプレイさせたり、さらには、すっちーや川畑泰史、酒井藍といった新喜劇メンバーを集め、銃の撃ち方や移動の仕方もままならない彼らのグダグダぶりを眺めながら冷静にツッコんだりしている。

 とりわけ新喜劇メンバーとの一連の動画は、さながらバーチャル空間で繰り広げられる吉本新喜劇の雰囲気を醸し出し、コンテンツとして充分に面白い。このように、YouTubeに行けば、もはや『Fortnite』ジャンキーのごとく毎日のように動画を上げ、ライブ配信を行っている彼を見つけることができるだろう。

とてつもない反射神経が要求される吉本新喜劇と、一瞬の操作ミスが命取りになるオンラインゲームとの“共通点”

「今年は多くの芸人さんがYouTubeデビューを果たしましたが、カジサック(梶原雄太)さんや宮迫博之さんを例に挙げるまでもなく、もともと厳しいテレビの世界で結果を残してきた人たちなので、素人に毛が生えたようなYouTuberとはトークのスキルがまったく違います。もちろん、目の引き方や見せ方など、動画コンテンツとの相性もあるので、動画配信にハマる人とハマらない人の格差はこれから先、広がっていくと思いますが、うまい具合にマッチングした芸人さんは今後さらにハネる可能性は大いにあるでしょうね」(放送作家)

 では、なぜ、お笑い芸人がここまでゲームにドハマりしたのか? 芸人にとって、特に小籔のように生の舞台に立って客の視線に晒されるタイプの場合、相手の芝居やアドリブに合わせて臨機応変に対応し、的確なリアクションで笑いにつなげるという、とてつもない反射神経が求められる。

 単純に比較はできないが、相手の出方を先読みした立ち回りが常に必要とされ、一瞬の判断や操作ミスが命取りになるこのオンラインゲームに、芸人として同じ“匂い”を感じたのかもしれない。

 もちろん、彼らには本業があり、来年以降このテンションが継続しているかどうかは現時点ではわからない。しかし、先の見えないコロナ禍が続くなか、どんな状況にも対応して“笑い”を生み出すその姿に新しい時代の可能性を見るとともに、「ただでは転ばないぞ」という、生きるたくましさを強く感じるのである。

中村裕一

中村裕一

ライター。テレビ・ドラマウォッチャー。主にエンタメ方面で活動。

Twitter:@Yuichitter

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