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死刑判決の工藤会トップ「生涯、後悔するよ」発言の裏側…山口組は銃の使用について指示

構成=編集部
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福岡地裁本庁(「Wikipedia」より)

 8月24日、福岡地裁は五代目工藤會の野村悟総裁に求刑通りの死刑、田上文雄会長に無期懲役の判決を言い渡した。足立勉裁判長は、審理された4つの事件について野村総裁らの関与を認定、「組織的に市民を襲撃した犯行の動機、経緯に酌むべき余地は皆無」と判じた。判決を受けて、野村総裁と田上会長は翌25日に控訴している。

 指定暴力団のトップに死刑判決が下されたのは、史上初の事態だ。以前から工藤會関係者の冤罪事件などを取材し、四代目工藤會の溝下秀男総裁(故人)との共著もある、作家の宮崎学さんに話を聞いた。

※前編はこちら

「あんた生涯、後悔するよ」

――判決言い渡し後に、野村総裁と田上会長が裁判長に不規則発言をしたことが報じられました。野村総裁は「なんだこの裁判は。全然公正やない。全部推認、推認。あんた生涯、このこと後悔するよ」と言ったそうで、脅迫とも取れる内容でした。

宮崎学さん(以下、宮崎) 傍聴していた知り合いの記者によると、総裁はいつも通り入廷のときに裁判官と弁護団に一礼するなど、2人とも落ち着いた様子だったそうですが、判決の言い渡し後に急に態度が変わったそうです。

 弁護団は釈明に追われて「公正な裁判を要望していたのに、こんな判決を書くようじゃ、裁判長として職務上、『生涯、後悔するよ』という意味で言った」としていますが、この発言で総裁と会長は接見禁止処分を受けました。

 弁護団や若い衆は頭を抱えていることでしょうが、私なら総裁と同じことをしていたと思います。それだけ判決はひどい内容でしたし、不良たるもの、このタイミングで啖呵を切らないでいつ切るのだ、とも思います。

 ちなみに、判決の当日はまだ接見禁止処分を受けていなかったので、若い衆は心配しながら様子を見に行っています。そこで総裁は「俺の心配はしなくてよい。無実やけ(無実だから)がんばって戦う。それよりもお前らは大丈夫なんか?」と、若い衆を気遣っていたそうです。

 本気で裁判長に「後悔させる」つもりであれば、若い衆にそんな態度は取らないでしょう。すでに控訴審への意欲を見せていたと聞きました。

 一方で、「週刊実話」(日本ジャーナル出版)で連載されていた総裁の手記には、自身の逮捕について「以前から噂があり、あまり気にしてはいなかった。カッコつけるわけではないが、ヤクザたるもの座る(=収監される)ことを嫌がったり、怖がったりしたらおしまいである」と、ヤクザとして逮捕を受け入れる姿勢も示しています。

山口組は銃の使用について指示

――世論には「野村総裁に死刑は当然」という空気もあるようです。

宮崎 推認だろうが死亡者1人だろうが「工藤會だから死刑だ」という空気は、近代国家とは思えません。工藤會が悪くないとはいいませんが、工藤會「だけ」が善良な一般市民に銃口を向けている最凶集団なのでしょうか?

 今回の裁判でいうと、被害者の元漁協組合長は元ヤクザでした。1950年に、当時の工藤組幹部であった草野高明親分の実弟を刺殺した人物です。最近は、そうした事実はあえて報道されていません。

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