「一緒にいてラクな人」「気持ちが和らぐ人」がいれば、「一緒にいて疲れる人」もいます。
周囲から一緒にいて疲れる人だと思われてしまうと、人間関係がなかなか上手くいかなくなったり、自分から人が遠ざかっていったりしてしまうでしょう。では、もし自分が「疲れる人」に当てはまっているとしたら…?
「疲れる人」から「ラクな人」に変身できる効果的で具体的なメソッドを紹介した一冊『一緒にいてラクな人、疲れる人 人と会うのが楽しみになる心理学』(古宮昇著、PHP研究所刊)には、「一緒にいて疲れる人」とはどんな人で、どのような行動をしているのか、8つの特徴が挙げられています。
■「一緒にいて疲れる人」に見られる8つの性質
1.相手から与えてもらおうとする
「自分は人見知りなので、よかったら声をかけてください」というような自己紹介をする人は、「私からあなたに与えることは拒否します。わたしに一方的に与えてください」と言っているのと同じ。
一緒にいてラクな人は、相手に与えようとする人です。人からの関心を得るには、まず、自分から人に関心を向けることが大切です。
2.結果や相手の反応を気にしすぎる
「自分を一緒にいてラクな人だと思ってくれているだろうか?」と相手の反応を気にするよりも、「良いことを与える自分でいる」ことを中心に考えるよう心掛けることが大切です。著者は、一緒にいてラクな人は結果よりも自分の納得感を大切にしていると述べます。
3.自分を良く見せようとがんばる
人は共通の欠点がある人に親近感を抱きやすいといいます。自分を良く見せようと虚勢を張るのではなく、自分の欠点を素直に見せることで、相手から見て「ラクな人」になれるのです。
4.自分の誤りを認めず、他人の誤りに厳しい
人の自尊心は傷つかないように大切に扱う必要があります。一緒にいてラクな人は、自分の誤りを認め、他人の誤りに寛大な人。相手の間違いや欠点ばかりを指摘していると、「疲れる人」と思われます。
5.人の意図を悪くゆがめて解釈する
一緒にいてラクな人は、人の意図を正しく理解しようと努めます。一方、他人の期待をゆがめて解釈すると、「なんで反抗するんだ?ひょっとしてバカにしているのか!?」と相手は思い、人間関係にヒビが入ってしまいます。
6.自分はつねに正しいと思っている
「善悪」や「正しい・間違い」のものさしを他人に当てはめ、すぐに「良い」「悪い」と判断する人は心を閉ざされてしまいます。一方、一緒にいてラクな人は、自分と異なる意見や価値観を認めることができます。
7.イヤなことや問題ばかりに目がいく
私たちは不幸についてはよく覚えていますが、幸せについては忘れやすくできていると著者は述べます。だから、一緒にいてラクな人になるには、日頃から良いことやうれしいことに、意識的に注意を向けることが大切です。
8.目立つと嫌われると思っている
目立つと嫌われたり批判されたりすると怯えてはいないでしょうか。その怯えは、緊張感として人に伝わり、一緒にいると疲れる人になってしまいます。一方、ラクな人は、自分の存在感を消そうとせず、堂々としています。
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もし、これらの行動をついしてしまっているならば、自分自身を見直したほうがいいかもしれません。しかし、著者はこうした行動を直しても、一緒にいてラクな人になれない場合もあると述べます。
その原因は、子どもの頃に傷ついた部分が癒されていない場合や、「大切な人を失った悲しみ」がまだ癒されていないことにあるのだとか。その場合、「喪失の悲しみを人に話す」「お墓参りなどの儀式をする」「泣きたいときには泣く」「こころの専門家のカウンセリングを受ける」といった方法で、喪失の悲しみを癒すことが先決です。
職場でもプライベートでも、一緒にいてラクな人の方に人は寄ってきます。ラクとはいかないまでも、「一緒にいると疲れる人」にならないようにするために、本書の内容は役立つはず。できるところから少しずつ、実践してみてはいかがでしょう。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。