児童の裸などが掲載された写真集をドイツから輸入したとして、愛知県警豊田署は20日までに、関税法違反(禁制品輸入)の疑いで、漫画『おしえて! ギャル子ちゃん』(KADOKAWA)の作者、鈴木健也容疑者(40)を逮捕した。共同通信の記事『児童ポルノ輸入疑いで漫画家逮捕』によると、逮捕容疑は昨年9月と同10月の2回、児童ポルノ写真集計6冊をドイツから国際書留で輸入した疑いという。『ギャル子ちゃん』はTOKYO MX系でアニメ化された人気作品で、ネット上に衝撃が走った。
共同の報道によると、同署は千葉県船橋市の鈴木容疑者宅で、児童の裸などが掲載された書籍46冊を押収したという。また、同署の話として鈴木容疑者が「日本では手に入らない海外の児童のヌード写真がどうしても欲しかった」などと供述していることを伝えている。
Twitter上では、鈴木容疑者が今月6日から音信不通になり、14日ごろ「家族が警察に捜索願を出した」との情報が拡散。しかし、同日、鈴木容疑者の関係者が「無事に見つかりました」と投稿するなど騒ぎになっていた。そうした背景からか、日本国内のTwitterでは20日、「漫画家逮捕」がトレンド入りした。
KADOKAWA関係者は声をひそめて話す。
「アニメ化もされていたこともあり、関係各所には衝撃が走っているようです。局や製作会社など、いろいろなところに深刻な影響がでるので。いずれにせよ、作者が児ポがらみで逮捕されるのは完全にアウトです。今後、クリエイターとして復活できるかどうかは、“るろ剣”の件もあるのでなんとも言えません……」
「禁制品の輸入」は10年以下の懲役
“るろ剣の件”とは、2017年11月、18歳未満の少女が出演している児童ポルノ動画を所持していたとして、人気マンガ『るろうに剣心』(集英社)作者の和月伸宏氏が児童ポルノ禁止法違反(単純所持)容疑で書類送検されたことだ。当時、和月氏は『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚・北海道編-』を「ジャンプSQ.」(同)に連載中だった。一時は連載打ち切りもささやかれたが、18年6月から再開した。では、今回の事件はどう見れば良いのか。
全国紙元司法担当記者は今回の事件を次のように語った。
「今回の事件のポイントは、当局が児童ポルノ法違反の単純所持容疑ではなく、関税法違反で逮捕しているところです。
『関税法第69条十一の八』では、『児童ポルノ(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第二条第三項に規定する児童ポルノをいう)』として輸入を禁じています。児ポ法の単純所持の法定刑は1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。しかし今回のような“八号貨物”に関する『関税法の禁制品輸入』だと10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金となり、段違いに重くなります。
しかも名古屋税関は20日、関税法違反容疑で鈴木容疑者を名古屋地検岡崎支部に告発しています。また逮捕容疑になっている6冊のみならず、愛知県警が押収した46冊という“ブツ”の“多さ”もあると思います。犯行態様から見て『つい出来心でやってしまった』とは言いがたく、当局は計画的かつ継続して大量に輸入していたとみて、かなり厳しく調べるのではないかと思います」
(文=編集部)