深夜に卑猥な電話が…細田議長のセクハラが黙殺されていたヤバい理由

　国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

　6月9日、岸田内閣と細田博之衆議院議長に対する不信任決議案が与党などの反対多数で否決されましたね。まあこれは想定内なんですが、細田議長への不信任案については「セクハラ疑惑」が「週刊文春」（文藝春秋）で取り上げられて以降、ずっと取り沙汰されてきました。

　文春は2回にわたって「疑惑」を報道、その後も後追いを続けていますね。一回目は「女性記者に深夜に『今から家に来ないか』」というタイトル、二回目は「『うちに来て』細田衆院議長の嘘を暴く『セクハラ記録』」というタイトルでした。細田議長は訴訟も辞さないようで全否定されていますが、けっこう「物証」もあるようで、どうなりますかね。

　しかも、6月16日号では昨年の衆議院総選挙の違法買収疑惑も報道され、細田議長もいよいよ晩節を汚すモードに入ってきました。

女性記者「夜中の電話が気持ち悪い」

　さて、ここからが本題です。

　文春の記事によると、メディア各社は自社の女性記者が細田議長からセクハラ被害を受けたことがあるか調査したようで、そのうち2社は「セクハラ被害の報告は受けていない」としているようです。

　そうですか……。今まで発覚しなかったのは、メディア側も問題にしてこなかったからじゃないですかね。女性記者のみなさんも、ネタを取るために我慢してきたんじゃないですか？　かく申す神澤も、「永田町はこういう世界だから」「本人と自民党幹部にセクハラという意識というか自覚がないから」と、特に問題にするつもりはなかったんです。

　しかし、この際ですから、国会女子を代表してズバリ言います。細田議長はセクハラをしています。細田議長は（も）、長年セクハラで有名な議員でした。ただ、実害があった人が声を上げてこなかっただけです。神澤も周囲の秘書たちも、セクハラ発言を受けてきました。

　しかし、人間関係というか、細田議員との信頼関係、大物議員と秘書という立場もあり、冗談で済ませてきてしまいました。今思えばいけないことです。

　仕事で携帯電話の番号を交換したことで、細田議長から深夜に卑猥な電話がかかってくる経験をした秘書仲間も少なくありません。弱い立場の秘書たちは、「きっと国会のストレスでお疲れなのだろう」と忖度し、公にしたり問題視したりすることはありませんでした。

　また、数年前ですが、女性の記者さんから「細田議員からの夜中の電話が気持ち悪い」という相談を受けたこともありました。今なら録音を勧めたりしていたと思いますが、「いろいろ大変なのかな。キモいけど聞き流してあげて」などとアドバイスしてしまい、とても後悔しております。

　すべてのハラスメントは、被害者の立場から対策を考えなくてはなりません。　問題が大きくなるまで、神澤を含め当事者に自覚がなく、その結果として、細田議長のセクハラがいつまでも続くことになってしまいました。

　国会に限らず、ハラスメント被害は枚挙にいとまがありませんが、これからは神澤も忖度せずに、おもしろおかしく書いてしまおうかと思います。一方で、国会内にもハラスメントを問題視する気運も出てきてはいます。女性からの「オトコのくせに！」とかいうセクハラもありますし、細田問題をきっかけにもっと議論が進むといいですね。

　ちなみに、岸田派のホープといわれる吉川赳（たける）衆議院議員は、6月9日の「週刊ポスト」（小学館）電子版に「パパ活」が報道されていました。記事によると、女子大生にお酒を飲ませて「俺、18歳に興味あるわ」とか「胸を見せて」とかのたまったそうで、永田町の女子たちからは「いいトシしてキモい」と言われています。こちらも写真をバッチリ撮られていましたから、どこまで逃げきれますかね。