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タクシードライバーが教える、本当に危ない「交通違反取り締まりスポット」

文=後藤豊/ライター兼タクシードライバー
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日曜の早朝に少なくない交通違反の検挙場面
日曜の早朝に少なくない交通違反の検挙場面

「渋谷から六本木に向かい、六本木6丁目の交差点を赤羽橋方向に向かって六本木ヒルズに入らず側道を走ると、その先に一時停止の標識があるんだけど、その先でよく見張っているから注意するように」

 タクシー業界では、月1回行われる定例会でさまざまな情報交換をすることもある。時には乗客から「急いでくれ」と急かされるが、交通違反をしてしまえば、さまざまなペナルティが待っている。

 たとえば、一般道路で時速30kmオーバーをすると違反6点で一発免停となる上、反則金ではなく「6カ月以下の懲役、または10万円以下の罰金」が科せられる(普通車の場合)。平均日給1~2万円の仕事でこんな多額の罰金を取られ、さらに免停になっては、好きな仕事も嫌になる。「急いでくれ」と言われたら「急いでいるフリをする」のが賢明だ。

環七&環八通りは要注意?

 タクシードライバーである私も、当然ながらこうした情報には敏感だ。同僚でローカル(経済の中心となっている区域以外での営業をする運転手。東京で言えば港区、千代田区、中央区、品川区、渋谷区、新宿区以外などの区域)を主体とする40代の運転手が語る。

「毎日のように見張っているのが環七の内回り、板橋本町から練馬区の豊玉陸橋までの区間は危ないね。東武東上線との立体交差や桜台陸橋周辺では、車線変更禁止の黄色い車線になるでしょ。カーブが多く先が見えにくいんだけど、橋を降りた先で巡査が見張っている。土日祝日は、ほぼ毎日やってるよ。しかも早朝から。車線変更禁止区域では絶対に変更しないことだ」

 進路変更禁止違反は減点1点で反則金は普通車6000円(大型車7000円、二輪車6000円、原付5000円)だ。

「あと、車が少なくて飛ばしやすい日曜の朝は、内回り・外回り両方でスピード違反の取り締まりもしているよ。板橋区双葉町の陸橋周辺などでは速度を落としなよ」(前出の運転手)

 ほかにも、環七通りでは大田区のJR京浜東北線と交差する付近に移動式オービスが仕掛けられることがままある。休日の環七はスピードが出やすくなるが、体感的に「飛ばしていない」と感じる時速20~24kmオーバーで普通車1万5000円(大型車2万円、二輪車1万2000円、原付1万円。違反点数は2点)だ。

 ほかにも杉並区や世田谷区、目黒区など、環七は「交通違反摘発の宝庫」である。

 もちろん都心も要注意だ。内堀通りで皇居を左に見ながら丸の内方面に向かうと、祝田橋の手前100mぐらいから進路変更が禁止になる。

「左側二車線が空いていると進路変更する車も多いけど、祝田橋交差点周辺では白バイも見張っているので注意した方がいい。ほかにも皇居付近は三宅坂交差点も進路変更禁止区域で、取り締まりの重点地点だよ」(同)

覆面パトカーの見極め方

 速度違反の取り締まりは、速度の出やすい箇所で行われることも。たとえば、新宿駅南口を過ぎ、明治通りを越えた新宿御苑トンネルの手前だ。

「下り坂でもあり、スピードが出やすいため、トンネルの出口手前でネズミ捕りをやってるね。あとは環八通りを杉並から赤羽方面に向かうと信号がなく飛ばしやすい練馬トンネルになるけど、その出口付近=目白通り手前でもネズミ捕りをやってるよ。日曜の早朝は交通量も少ないので、ついスピードが出るけど、注意した方がいい」(同)

 都県境も注意が必要だ。蔵前通りで市川橋を渡り、松戸街道へ左折する際は一時停止しなければならないが、ここも昼間は警察官が立っている。ほかにも、信号機がない横断歩道では歩行者優先なので、歩行者が立っていたら止まらなければならない。近年、厳しくなっている取り締まりである。

 また、二車線道路や高速道路では覆面パトカーにも注意する必要がある。

「ブラック・ホワイト・シルバーのクラウン(セダン)に要注意だ。大人が2人乗っていたり、後方にアンテナがついていたり、ガラスがスモークのクラウンは覆面パトカーの可能性が大きいので抜かさないこと。助手席にバックミラーが付いていて、管轄区域のナンバーなのも特徴だよ」(同)

 最後に、高速道路の料金所も気をつけるべき箇所だ。料金所のカメラで違反を確認しているケースがあり、携帯電話使用やシートベルト不着用などが取り締まられる。

「『交通事故を未然に防ぐため』でもある交通違反の取り締まりは、やりやすい場所でやるのがパターンだから、注意しなよ。普段から安全運転をすることで事故や違反を防ぐのが俺たちの仕事。慌てたら絶対にダメだ」とベテラン運転手は語るが、本当にその通り。「常に冷静で慌てない」ことこそ、交通事故や交通違反を犯さないために必要なことだ。

後藤豊/ライター兼タクシードライバー

後藤豊/ライター兼タクシードライバー

1966年千葉県生まれ。東京都内の中小会社でタクシードライバーを兼務するライター。競馬と野球をメインに、雑誌や書籍で執筆をしている。主な著書に『テイエムオペラオー伝説』『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(ともに星海社、共著)などがある。

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