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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

「鈴木宗男はロシア寄り」批判に国会議員秘書が猛反論…大半の議員は同じ意見?

文=神澤志万/国会議員秘書
「鈴木宗男オフィシャルブログ『花に水 人に心』Powered by Ameba」より
鈴木宗男オフィシャルブログ『花に水 人に心』Powered by Ameba」より

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 今年の2月から始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、もう半年以上も続いていますね。連日、ロシア軍によるミサイル攻撃が続き、多くの死傷者が出ています。先進国の対ロ制裁によるエネルギー価格の高騰は世界経済にも影響を及ぼしていますから、日本も大変なことになっていますよね。

鈴木宗男議員の“ロシア寄り”発言が炎上

 一日も早い事態の終結のために日本政府は欧米諸国と対応を進めていますが、そんな中、日本維新の会の鈴木宗男参議院議員の発言が炎上しました。

 鈴木議員は、10月5日に都内で開かれた駐日ロシア大使の講演会で「プーチン大統領が停戦だと呼びかけたのだから乗るのが筋だ。ミサイルを含め、極めて攻撃的な武器を米国が供与するから戦争が長引く」と、欧米諸国によるウクライナへの武器供与停止を求める発言をしたのです。

 これにネット民が反応して「ロシアから莫大なカネをもらっている」「ロシア情勢に対する認識が甘い」などと、さんざん叩いています。鈴木議員は以前から「ロシア寄り」と批判されてきましたが、実際どうなんでしょうか。

 欧米諸国がウクライナに武器を提供し続けている以上、戦争は止まらないというのは事実だと思いますよ。というか、今は日本以外の国は「戦争」と表現していることに、お気づきでしたか? 神澤は、なぜ日本のマスコミは「戦争」と表現しないのか、以前から疑問に思っていました。「戦争」では自衛隊を派遣できませんが、「侵攻」なら燃料補給のために派遣できますし、財政面でも物資面でも支援できますよね。明確な答えはわかりませんが、国会でも議論してほしいです。

 また、「侵攻」というと一方的ですが、「戦争」というと両国の問題になります。報道を見る限り、ウクライナ側も戦っていますよね。ウクライナは過去にクリミア半島をロシアに併合された経緯もありますから、ロシアには敵対的です。

 だから、鈴木議員は10月11日付けのブログで「ロシアの特別軍事行動もウクライナが昨年10月23日、親ロシア地域へ自爆ドローンを飛ばし、さらに今年2月19日のミュンヘンでのゼレンスキー大統領が演説で、ブタペスト覚書の再協議、裏を返せば核を持たせろと発言したことによりスタートした経緯がある。今回も小さな火遊びが大火事になる様相である。どちらが『善、悪』という価値観ではなく、どうしてこういう事態になったのかを冷静に考えるべきである」(原文ママ)と踏み込んだ意見を書いたのでしょう。

 正直、大半の国会議員は同じ意見だと思います。「元コメディ俳優」という経歴が悪いとは言いませんが、ウクライナのゼレンスキー大統領は2019年4月に大統領に当選するまでは政治経験ゼロの人物でした。さらに、最近はいきなり「北方領土は日本の領土」と発言するなど、もはや思いつきでやってる感しかないです。これについても、鈴木議員が「ありがた迷惑」としたことで、また批判されてしまいました。

 鈴木議員はブログで「私が『有難迷惑な話』というのは、外交は積み重ねであり、事実を踏まえなければならない。突如、思い付きの話をしても国際的に通用しない。逆に当事国であるロシアが不信感、不快感を持つと北方領土問題はなお、遠くに行ってしまう」と書いていますが、まったくその通りです。

 北方領土の問題はロシアと日本の間で解決すべき話で、「なんでここで内政干渉?」と思っちゃいますよ。ウクライナとロシアの問題と日本とロシアの問題はまったく異なるものなので、切り離して考えなければなりません。それなのに、なぜ「ムネオはロシア寄り」という話になるんでしょうかね。鈴木議員は冷静に見ていると思いますよ。

 ゼレンスキー大統領がこのタイミングで北方領土の問題を取り上げたのは、日本からの支援を取り付けたいからでしょう。その気持ちはわかりますし、「ロシアとウクライナの問題は日本も関係しているんだよ」というメッセージかもしれません。いずれにしろ、戦争については日本政府は欧米諸国と連携して進めていくでしょう。

根拠なき疑惑が過熱した「ムネオハウス問題」

 それにしても、この戦争はいつまで続くのでしょうか。ウクライナ侵攻に伴うロシア軍の人的損失については、10月13日付けの朝日新聞がロシア系の独立メディア「バージュニエ・イストーリイ」の調査を紹介して、死傷者と行方不明者の数が計9万人以上に上っている可能性があると報じました。調査機関によって違いもあるようですが、いずれにしろたくさんの人たちが犠牲になっているのは明らかで、一刻も早い終結が望まれます。

 冒頭の話に戻りますが、トルコは和平交渉に意欲を見せているようですから、和平への道を探ってはどうかなと思います。あくまで神澤の意見ですが、日本には「負けるが勝ち」という言葉があります。被爆経験のある唯一の国として、国民の命を最優先することが重要だと思います。交渉の過程で譲歩することがあっても、いったん安定を取り戻す方向で考えてはどうでしょうか。その後に調整する選択肢もあると、日本政府はアドバイスしてほしいです。

 これ以上、軍人をはじめ、民間人、ましてや子どもたちの命が失われていく現状を見ていられません。いずれは歴史が証明することになるのでしょうが、一方的な批判については疑問しかないということです。

 ちなみに、鈴木議員は、いわゆるムネオハウス問題で逮捕、起訴されて有罪判決を受けて服役するまでは、自民党で北海道開発庁長官、沖縄開発庁長官、内閣官房副長官を歴任する大物議員でした。逮捕をめぐっては、当時外交官だった佐藤優さんも含めて壮絶なバッシングを受けたことはご記憶の方も多いと思います。しかし、当時報道されていた「疑惑」の大半は捏造だったり、ただの噂だったり、根拠のないものでした。

 最終的には一つの汚職についてだけ実刑判決を受け、約1年間収監されていますが、「疑惑の総合商社」などと国会で揶揄した民主党の原口一博衆議院議員と社民党の辻元清美衆議院議員(当時)は謝罪し、公判でも情状酌量を求める書面に署名しています。

 判決も出ていないのに犯人扱いして大騒ぎすることは今までも繰り返されてきましたが、最近は特にネット上で簡単に炎上しますよね。もっと冷静になるべきだと、自戒を込めて思っています。

『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。 amazon_associate_logo.jpg

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