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パチンコ業界、年末年始は勝ちにくい?立ち回りのポイント&ホール選びのカギ

文=山下辰雄/パチンコライター
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「gettyimages」より
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 パチンコホールの減少が続くなか、パチスロ6.5号機やスマートパチスロの出玉性能がユーザーの心をガッチリとつかみ、業界の再興へと一歩踏み出したかに見えた2022年。一般的には「勝ちにくい」と言われている年末年始だが、機種ラインナップを見れば近年で一番盛り上がっており、打ちたくてウズウズしている人も多いはず。そこで、勝率を上げるにはどんな点を意識すればいいのか、立ち回りのポイントをパチンコ雑誌のベテラン編集・H氏に聞いてみた。

パチンコ業界の鉄則「演出よりも出玉」

――2022年はどんな1年でしたか?

H氏 2021年12月に導入された「新世紀エヴァンゲリオン~未来への咆哮~」と2022年1月導入の「P RE:ゼロから始める異世界生活 鬼がかりver.」をはじめ、パチンコが業界を牽引した1年でしたね。半導体不足の影響がなければ、販売台数がもっと伸びてもいい機種がたくさんありました。

――継続率が80%を超えるスペックや、一撃で3000個を獲得できる機種など、パチンコは完全に息を吹き返した印象があります。

H氏 1回の大当り出玉が2000個を超えていた時代と比べればスペックはおとなしくなっていますが、近年のパチンコに慣れた人にとっては十分に魅力的に見えるでしょう。

――一方でパチスロはどうでしたか?

H氏 5号機が撤去され、6号機の出玉性能はユーザーからそっぽを向かれ、完全に冬の時代を迎えていたなか、6.5号機で万枚報告が相次ぎ、一気に盛り上がりましたね。「やっぱりパチンコ・パチスロは演出じゃなく出玉か」と感じた1年でした。

――パチスロでは「BOOWY」が注目を集めていましたが、評価が分かれる結果に。

H氏 「ミリオンゴッド -神々の凱旋-」の天井機能を模した性能で万枚報告の数も多く、スペック的には悪くありません。でも、AT中の楽曲が聞きにくいなど音量のバランスが悪く、BOOWYのファンにはストレスの溜まる1台になったようです。

ホール選びのカギ

――さて、本題に入りたいと思います。今年の導入機種やホールの状況を踏まえて、年末年始の立ち回りのポイントを教えてください。

H氏 まずは最新台をきちんと導入しているホールを選ぶこと。集客の目玉であるパチスロ6.5号機を入れていないホールは、それだけ資金繰りが苦しい証拠。甘い設定になっている可能性は低いでしょう。人気台をしっかり稼動させて粗利を取るのがホール運営の基本ですから。

――5号機の撤去と同時に閉店したホールも、やはり新機種の導入には消極的でしたよね。パチンコとパチスロのどちらがおすすめというのはありますか?

H氏 個人的にはパチスロ一択です。それも、スマスロ(スマートパチスロ)。

――それはなぜ?

H氏 満を持して登場したスマスロの滑り出しは上々。業界の救世主になり得るだけに、年末年始だからといって必要以上に辛く使うホールは少ないでしょう。ここで「スマスロは勝てる」というイメージを与えておいて、この後少しずつ抜いていくのが常套手段。まだ各メーカーの機種が出揃っていない段階で、この盛り上がりに水を差すことはないはずです。

――Hさんはすでに打ちましたか?

H氏 もちろん。「L 革命機ヴァルヴレイヴ」「L HEY!エリートサラリーマン鏡」「L バキ 強くなりたくば喰らえ!!!」は甲乙つけがたい出来でしたね……出玉性能が。

――あなたも出玉厨か(笑)。では、次にパチンコの立ち回りについて教えてください。

H氏 個人的には、パチンコはおすすめできません。パチンコの本命は2023年の春に控えているスマパチ(スマートパチンコ)です。スマスロがこれだけ高い出玉性能を持っていることを知れば、全国のホールもスマパチに期待を抱き、導入したいと考えるのは当然のこと。その資金をつくるためにも、この年末年始に大盤振る舞いをするホールは少ないでしょう。

――確かに。

H氏 もちろん全国のすべてのホールがそうだとは言いませんが、「今はパチンコよりもパチスロを盛り上げるべき時」と考えるお店が多くても不思議ではありません。ましてやスマスロは台数が限られていて、まだ打ちたい時にサクッと打てる状況ではない。ここ数年でパチスロからパチンコに鞍替えしたユーザーが多く、全体的にはパチスロよりもパチンコの方が稼動を見込めるため、抜くならパチンコからと考えるのが自然でしょう。

遊タイムも狙い目?

――それでもパチンコを打ちたい場合は?

H氏 多くのホールで看板機種になっている「エヴァ~未来への咆哮~」と「RE:ゼロ 鬼がかりver.」が第一候補。この2機種が辛いホールでは、そもそも打ってはいけません。時間効率を考えるなら「P ワンパンマン」、スペックの甘さなら「P 真・花の慶次3」。それに、年末年始は用事の合間に打ったり、酔っ払っていたりして雑な立ち回りをする人が多いので、遊タイム狙いもいいでしょう。

――せこい!

H氏 あくまでも立ち回りの一例なので、そんなこと言わないで(涙)。今年の年末年始の新台導入スケジュールを見ると、それほど大型機種が揃っているわけではなさそうです。今後の看板機種になりそうなビッグタイトルはホールが甘く使うだろうから狙い目。それ以外は回収台になると判断するのが基本になります。

――12月は「P ゴジラ対エヴァンゲリオン~G細胞覚醒~」、1月は「P 真・花の慶次3 黄金一千」「P 牙狼GOLD IMPACT」が本命でしょうか。

H氏 そうですね。でも、前作が驚異の出玉スピードで人気を博した「P ゴッドイーター 神がかりver.」が再びウケてもおかしくない。導入直後はスルーされていても、ジワジワと人気が高まる場合もあります。そうした時に大事なのが情報収集。情報の早さはSNSが一番なので、ツイッターのハッシュタグで「スマスロ」「パチンコ」「パチスロ」とか、機種名を入れて検索をかけてみれば、食える機種や優良店に出会える可能性が高まるでしょう。

――スマスロの導入当日も、開店から数時間後にはコンプリート機能が発動した画面がツイッターにいくつも上がっていましたね。

H氏 あれを見ただけで、スマスロは打つべき機種だというのがわかったはずです。三重県の年越しパチンコでは、開店前の並びや開店後の店内の状況を報告してくれる人が多いのですごく参考になるでしょう。

――あ、見たことあります。

H氏 これは年末年始に限りませんが、今後はC時短(※ハズレ変動の一部から突入する時短)を使った複雑なゲーム性の機種が増えていくと思われます。電サポがついていないからとやめてしまったら、損をする場合もあるはず。

――「P 真・花の慶次2 漆黒の衝撃EXTRA RUSH」はおもしろかったですね。おまけとしての機能ではなく、連チャン性を高めるC時短の使い方がますます増えるかも?

H氏 新機種や新機能が登場した場合は、インターネット上でリサーチするのがおすすめです。

――なるほど。もともと勝ちにくいと言われている年末年始だけに、普段以上に頭を使い、ちょっとした手間ひまをかける必要がありそうですね。ありがとうございました。

山下辰雄/パチンコライター

山下辰雄/パチンコライター

パチンコライターとしてBusiness Journalにて多くの記事を寄稿。

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