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おとなしい「いい子」、実は危険なサインかも…日本人を苦しめる過剰適応の罠

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※画像はイメージ(新刊JPより)。
※画像はイメージ(新刊JPより)。

 周囲からの期待になんとか応えたい。自分が任されたのだから最後までやり遂げなければ。日々の生活の中で「がんばる」ことが必要なときがある。そして、苦しいけれど、周囲のために、周囲に合わせて、無理をしてしまう。必要以上に責任を負ってしまう。がんばることは悪いことではない。ただ、がんばりすぎて、心や体に不調が生じてしまうと元も子もない。

自分より周囲を優先させる人がなってしまう「過剰適応」とは?

 『心理カウンセラーが教える「がんばり過ぎて疲れてしまう」がラクになる本』(廣川進、松浦真澄編集、ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)では、「がんばり過ぎ」で心身に不調が出てしまう状態を表す概念として「過剰適応」を取り上げている。過剰適応とは「自分の都合よりも周りを優先させ、無理をしながらもがんばっている」などの意味で用いられる。

 過剰適応に苦しむ人の多くは、周囲からの期待や評価を意識し、できる限り完璧に近い形で応えようとするという。さらに、周囲に迷惑や負担をかけまいと気を配り、自分自身に対しても厳しく、「まだまだ努力が足りない」と追い込んでしまうのだ。

 本書では、心理カウンセラーや産業医などの複数の専門家によって、過剰適応の解説とその対処法の紹介・提案がなされている。ここでは、なぜ過剰反応が起こるのか、そのメカニズムを少しだけのぞいてみよう。

どこで私たちは過剰適応になってしまうのか?

 過剰適応が起こってしまう要因の一つが人間関係だ。家族、友人、仕事など、私たちは生きる上で人間関係を切り離すことはできない。そのため、至るところに過剰反応が起こる場面があるといえる。

 たとえば「親子関係」では、親が子どもに過剰に配慮または干渉したり、逆に無関心や放任のままでいると、どちらも過剰反応しやすい「よい子」を作り出す。親からの期待は、日常的な親子関係から生まれる自然で無意識な感情が基となっている。そのため、子どもに及ぼす影響について、親も子も無自覚なことが多いという。このメカニズムに気づくにくいことが、問題の発見や対応を遅らせがちだと本書は指摘している。「おとなしくて手のかからない子」や「いい子」が実は、親の期待に沿うように自由な感情を抑えてしまっている「過剰適応の子ども」になっていることもありえるのだ。

 また、本書では「日本人の心性」も過剰適応の原因の一つとしてあげている。「礼儀正しい」「マナーを守る」「我慢強い」「自分を表現するのが苦手」などといったものだ。ほかにも「勤勉」「現状容認」「順応」などのキーワードもあげられる。

 こうした特徴を持つ日本の労働者は、不当な職場環境においても不本意ながら受け入れてしまい、ストレスをため込んでしまう傾向が見られるという。「仕事だから」「上司が言うから」「前からそうだったから」という理由から改善の主張をするよりも、現状を受け入れてがんばってしまうのだ。

 ◇

 では、過剰適応からいかに抜け出し、対処をしていけばいいのか。本書では自分へのケアや、過剰適応に働きかけるエクササイズなどを通して、自分を変えていく方法が書かれている。また、部下や家族など周囲の人が過剰適応だった人の場合の対処法も紹介されている。

 もし、「人からどう思われているか心配」「何かを犠牲にしても仕事を優先する」といった思考にとらわれているならば、それは過剰適応かもしれない。無理をしていると、いずれ不調が出てくる。そうなる前に本書を参考にしながら、自分を見つめ直してみてはいかがだろう。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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