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木下隆之「クルマ激辛定食」

スバル・クロストレック発表の裏…都会派SUV人気の今、なぜアウトドア性能を強化?

文=木下隆之/レーシングドライバー
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スバル・クロストレック発表の深層
スバル「クロストレック」

 スバルが「新型SUVワールドプレミアオンラインイベント」を開催するとの情報に首を傾げた。というのも、スバルはすでに多くのSUV(スポーツ用多目的車)をラインナップしており、これ以上の品揃えは無理があるように思えたからだ。

「レヴォーグ」「アウトバック」「フォレスター」「XV」「インプレッサ・スポーツ」――。クロスカントリー性能を意識したステーションワゴンも含めるならば、スバルは積極的にSUV戦略を展開している。確かにSUV市場は拡大している。SUVのシェア拡大が遅れていた日本でさえも、ミニバンのシェアを上回ってみせた。

 だが、拡大期から飽和期に移行しているとも思える。これ以上のモデル展開は苦戦の元凶になるのではないかと想像したのだ。

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 そんななか、実際に発表されたのは、これまでの「XV」がフルモデルチェンジされ、そのタイミングで車名を「クロストレック」に変更するということだ。ラインナップを拡大するのではなく、XVの刷新である。

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 クロストレックは、日本名XVをすでにグローバル展開している名称だ。むしろXV名で展開している日本は少数派で、海外ではクロストレックの名で親しまれている。特にスバルにとって最大のマーケットである北米では、月産1万7000台を記録しているほどだ。好評のXVをクロストレックに変更し、世界に積極展開する意気込みの表れとみる。

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 クロストレックは、「クロスオーバー」と「トレッキング」の造語である。その名から連想できるように、都会的SUVの使い勝手とクロスカントリー性能を融合させたものだ。つまり、現行XVのコンセプトを引き継ぐ。

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 スバルのなかではもっともコンパクトなモデルであり、価格的にも抑えられている。エントリーモデル的な性格でもある。

 SUVは、シェア拡大と共に都会的SUV風の性格が支持され始めている。その時期にアウトドア性能を強化して販売を開始するのが興味深い。

 ただし、スバルが目標とする「交通事故をゼロに」の考え方が進化している。安全運転支援技術である「アイサイト」は、カメラの数が2眼から3眼に増えた。広角単眼カメラを日本初導入することで、より安全性を高めている。特に、これまで不得手としていた、広い視野を補う。たとえば、側方の自転車を認識するといった点に効果がある。

 ボディサイズに大きな変更はない。デザイン的テイストも共通している。搭載するエンジンは水平対向4気筒2リッター+電気モーター、つまり「e-BOXER」である。基本的な構成に変化はないが、ボディ剛性やサスペンションセットをはじめとした、クルマにとって必要な要件を熟成させている痕跡がうかがえる。

 スバルXVのデビューは2012年。2代目は2017年に発表された。それからまだ5年しか経過してらず、フルモデルチェンジにはタイミングとして早い。それでも、車名を変えてまで全面刷新するのは、成熟から飽和に移行しつつある市場の影響と無関係ではない。

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 2022年はスバルAWD(4輪駆動)の50周年である。そのメモリアルな時期にグローバル名を与えられたクロストレックが担う役割は重い。

 発売時期や価格等に関して言質を取ることはできなかったが、販売開始は2023年の早い時期であり、エントリーモデルに相応しい価格帯に抑えられるという。メインマーケットが北米であることに疑いはない。

(文=木下隆之/レーシングドライバー)

木下隆之/レーシングドライバー

木下隆之/レーシングドライバー

プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

Instagram:@kinoshita_takayuki_

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