遺伝子組換え食品、非表示で流通の恐れ 秘密裏で米国から圧力、支離滅裂な政府の説明
果たしてTPP交渉も違憲なのか。そして、遺伝子組換え食品の表示問題はどうなるのか。国民の生命と安全にとって重要な問題が、大きな岐路に立たされている。
(文=石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト)
【編注1】
山田正彦議員と岩月浩二弁護士が、国を相手にした提訴時の訴状(TPP交渉差止・違憲確認等請求事件。5月15日。P65)より。交渉参加国・ニュージーランドの主席交渉官が市民からの情報開示の要求に応じて、回答した(11年11月29日)。
「交渉草案、各国政府の提案、添付説明資料、交渉の内容に関するEメール及び交渉の文献の中で交換されたその他の情報(交渉過程文書)は、TPPが効力を生じた後4年間もしくは交渉の最終ラウンドが行われた後4年間は、秘密にすることを交渉参加国は合意している」
「これらの文書は政府高官と政府の決定に参加する者、これらの文書を評価し文書に含まれる情報についてアドバイスする必要がある者だけに提供される」
【編注2】
内閣官房TPP政府対策本部「TPP交渉に関する説明会資料」(15年5月15日)。21分野=(1)物品市場アクセス、(2)原産地規則、(3)税関当局及び貿易円滑化、(4)SPS(衛生植物検疫)、(5)TBT(貿易の技術的障害)、(6)貿易救済、(7)政府調達、(8)知的財産、(9)競争政策・国有企業、(10)越境サービス、(11)ビジネス関係者の一時的な入国、(12)金融サービス、(13)電気通信サービス、(14)電子商取引、(15)投資、(16)環境、(17)労働、(18)法的・制度的事項、(19)紛争解決、(20)協力・キャパシティビルディング、(21)分野横断的事項
【編注3】岩田伸人『WTOと予防原則』(農林統計協会、04年)
【編注4】農林水産省消費・安全局国際基準課「SPS協定」
【編注5】川端章義「WTO/TBT協定とその意義・活用について」(12年1月25日、経済産業省産業技術環境局基準認証政策課)
【編注6】「TPP協定交渉の分野別状況」(12年3月。内閣官房、内閣府、公正取引委員会、金融庁のほか、総務、法務、外務、財務、文部科学、農林水産、経済産業、国土交通、環境各省)
【編注7】内閣官房TPP政府対策本部「TPP協定交渉に係る意見提出等のための業界団体等への説明会資料」(13年6月14日)
【編注8】第186回国会参議院予算委員会会議録第四号(15年2月7日)
【編注9】外務省「TPPにおいて慎重な検討を要する可能性がある主な点」(11年11月)