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2023.07.07 00:51
2015.08.06 00:10
金子智朗「会計士による会計的でないビジネス教室」
「数学がわからない」など許されません!単純労働しかできない?日本の国力低下懸念
しかし、数学は一種の言語だ。文系も理系もない。数学という言語を使う必要があるかどうかだけだ。文系だから数学ができなくて当然というのは、理系だから英語ができなくて当然というのと同じくらいナンセンスな話だ。
実際、文系であっても、経済学では数学を用いるのは常識だ。会計の世界でも、管理会計のみならず制度会計の分野でも数学的手法を必要とする会計処理が増えている。ファイナンスは数学と統計学のかたまりだ。法律の世界でも、例えば弁護士が扱うのは世の中で発生するすべての事件であるから、「科学技術的なことはわかりません」というわけにはいかない。
米アップル創業者のスティーブ・ジョブズも、文系と理系の交差点、人文科学と自然科学の交差点、テクノロジーとアートの交差点に立つ人間こそが最も偉大だと言っているではないか。
せめて子供たちには「捨てるな」と言ってほしい
数学は言語だから練習が必要だ。英語だって相当の練習を積まないと、読んだり書いたり話したりはできない。それと同じだ。ところが、そういう練習を学生はあまりやらないし、教える側もやらせていない。昨今は英語力のことばかりが言われるが、同じ言語として数学力ももっと高めるべきだ。
そうはいっても、すでにいい大人になってしまった人たちの多くは、正直言って手遅れだ。やるべきときにやるべき勉強をしなかったのだから、今さらいかんともしがたい。
本人が無理ならば、せめて子供たちには、文系・理系を問わず、「数学を捨てるな」と言ってほしい。そうでなければ、日本のビジネスパーソンのレベルはどんどん下がってしまうだろう。
(文=金子智朗/公認会計士、ブライトワイズコンサルティング代表)
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