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民主党政権は2012年に幕を下ろしたが、その後も総務省は“緑の分権改革”を推進。市町村も粛々と再生可能エネルギーによる発電事業に取り組んできた。そして、地方自治体は電力の完全自由化を機に第3セクターや電力公社を立ち上げて、続々と電力事業に参入した。地方自治体が再生可能エネルギーによる電力事業に乗り出す背景には、過疎地域ゆえに産業がなく新しい産業を生み出すことで地元経済に貢献できるという大義名分がある。地域経済を活性化させることで、雇用も創出でき、若者の流出も防げる。
過疎化が進む市町村にとって、再生可能エネルギーによる発電事業への参入は多方面にわたって波及効果がある。市町村による再生可能エネルギーはまだ小さな規模にとどまっているが、確実に芽は育ちつつある。経済産業省や内閣府からは、「原発もダメ、石炭火力もダメでは、日本経済は立ち行かなくなる」と電力の安定供給やコスト面で心配する声もある。
その一方、環境省や総務省では次のような意見も強まっている。
「東日本大震災以降に省エネ意識が進み、電力需要そのものが減っている。原発のような電気を大量生産する時代ではなくなっている。また、電化製品でも省エネ化が驚くスピードで進んでいる。これ以上、原発や石炭火力を推進する必要性はない」
省庁間でも意見は食い違っているが、いずれにしても3メガは石炭火力から手を引こうとしている。こうした事態は、政府が理想として描く電力政策と乖離しているが、果たして原発は、そして石炭火力の行方はどうなるのだろうか。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)
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