ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOがヤフーに買収されることが9月12日に報じられ、大きな話題となっている。また、それに伴い、ZOZO代表取締役社長の前澤友作氏が退任を発表するなど、急展開の事態を迎えている。
ZOZOはヤフーによる株式公開買い付け(TOB)について、取締役会の決議に基づいて賛同意見を表明した。あわせて、ヤフーとの資本業務提携契約も締結するという。また、「PayPayモール」への出店やZOZOTOWNでの「PayPay」導入など、具体的な業務提携内容に関しては今後、協議を行うと明かした。
さらに、ZOZOは12日付で前澤氏が代表取締役ならびに取締役を退任したと発表した。前澤氏もツイッターで、「ヤフーさんとZOZOは資本業務提携することとなりました。また、このタイミングで僕は代表取締役を辞任し、新社長に今後のZOZOを託し、僕自身は新たな道へ進みます」と綴っている。
ソフトバンク傘下のヤフーによるZOZO買収について、ネット上では「ZOZOは経営が悪化していたから、社員のクビを切るよりは正しい選択をしたと思う」「今まで築いてきた地位を捨てて潔く新しい道に進む、前澤さんの生きざまがカッコいい」「ファッション優先では限界があったけど、ヤフーとならビッグビジョンが描けるのでは?」といった声が上がっている。
一方で「ZOZOスーツもコケたし、経営が行き詰まってあわてて売却したという印象」「100万円バラマキ企画あたりから怪しいと思ってたけど……こういうオチか」「社員を捨てて自分だけ株の売却益でお金を手にするのはやり方が汚い」という反応も寄せられており、賛否両論が飛び交っている状況だ。
一代でZOZOを築き上げた前澤氏は、経営手腕が評価される一方で豪胆な行動が注目を集めることも多い。たとえば、昨年9月には民間人初の月旅行者となることを発表した。アメリカの宇宙開発ベンチャー・スペースX最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏が進める月周回旅行計画において、前澤氏が最初の搭乗者になることが明らかにされ、大きな話題となった。
また、今年1月には、ツイッターで100名に100万円を現金でプレゼントする「総額1億円のお年玉」企画を実施し、賛否両論を呼んだ。また、同時期に高額な心臓移植を待つ子どもに対する寄付企画も行い、個人への援助に対して批判の声が上がると、「それぞれが気づいたこと、やれることをやればいいじゃん。人の行動に文句つけたって誰も得しないよ」と反論したこともある。
さらに、2月にはツイッターで「いまお店で約1万円くらいで売られている洋服の原価がだいたい2000~3000円くらいだということを、皆さんはご存知ですか?」と暴露して批判を浴びたことも記憶に新しい。
刺激的な話題には事欠かない存在だっただけに、突然のZOZO売却および退任には「ZOZO=前澤友作というイメージが強かったから、なんかさびしい」「前澤社長がやらないZOZOって、もうZOZOじゃないじゃん」と“前澤ロス”を嘆く声も。
また、「すでにかなりの資産を手にしているし、これからはセミリタイアで悠々自適の生活が待ってるだけだろう……どう考えても勝ち組」「あんな破天荒な経営者、もう出てこないのでは」「数千億円のEXITって起業家として圧倒的な成功者だから」と前澤氏を羨む声も少なくない。