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『マイクロ流体の世界市場の将来展望(2020年)』(Global Information)によれば、「医療向けマイクロフルイディクス・デバイスの市場規模は、2014年には25億米ドルに達したと推計されている」ため、同市場全体で同社が「ライオンズ・シェア」(圧倒的なシェア)を握っているということではなく、あくまで単一細胞解析というトップ・ニッチ市場で独壇場だということだ。この市場全体では20年代まで2桁台の成長を続けると見られている。
「社員数は世界に500名ほどで、本社のほかはヨーロッパ、シンガポール、カナダ、日本が大きな拠点です」(同)
その500名の内、100名以上が博士号を持っているという、まさにハイテク・ベンチャーの典型企業だ。同社は実は上場以来、経常利益ベースでは黒字を出していない。ちょうどアマゾンの初期の状況と似ている。企業としての可能性が評価されるのがアメリカということだろう。
ハイテク・ベンチャーを輩出するスタンフォード大学
「24年前に当社を設立したとき、私と共同創業者のステファン・クエイクはスタンフォード大学の学生でした。共に生命工学及び材料工学を専攻していました」(同)
グーグルの創業ととても似た話ではないか。スタンフォードからは多くのベンチャーが生まれている。フリューダイム本社はスタンフォード大のすぐ近くに位置していて、クエイク氏は同大で生命工学の教授として研究を続けており、フリューダイムでは最高技術顧問を務めている。
「二人の組み合わせから、マイクロフルイディクス(微小流体技術)・テクノロジーが生まれ、当初はタンパク質結晶化の分析装置から始まったのです」(同)
その技術が現在のIFC(集積流体回路)技術に発展したという。IFCの外観は、集積回路基板に見えるが、微小な流路の中で細胞を単一に分離し遺伝子解析に必要な反応までを自動的に行う。これがフリューダイムの独創技術だ。
単一細胞レベルでのDNA解析のトップランナーであるフリューダイムのスター製品がC1システムであり、一度に800もの細胞を同時に解析でき、解析時間も大幅に短縮されたという。その上位機種ポラリスがこの夏リリースされ、幅広い研究分野での大きな貢献が期待されている。しかし、ポラリスは高機能モデルだけあって、高価格となった。日本でのカタログ価格は7000万円となっている。
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