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「これまでは、医学や生命科学の基礎的な研究にフリューダイムの機器が使われてきました。これからは、臨床医学などの分野などにまでシングル・セル解析が使われるように狙っています」(同)
確かに、マーケットを大きく拡大する必要があるだろう。マーケット拡大の可能性がある分野としては、初めに掲げた予防医学、化粧品などもあるはずだ。
競合の必要性
私はしかし、同社のマーケットが拡大するために必要なのは、実は競合の出現なのではないかと考える。フリューダイムは当該分野で24年もの長きにわたって独創的な地位を保ってきた。「直接の競合は今やいない」(ウォーシントンCEO)というのは、実はマーケットを切り開いてきた「イノベーター」(革新者)にとっては不幸なことなのだ。「フォロワー」が出現して当該製品の価格を下げ、見込み顧客層に複数の企業が働きかけることにより、そのマーケットは真の成長期に入る。マーケットが成長期に入れば、最大の便益を得るのは先行していたイノベーターとなる、というのがマーケティングのセオリーだ。
フリューダイムの機器やシステムは数々の特許に守られているという。しかし、マーケット拡大の可能性が大きいとなれば、どこからか競合は必ず現れ先行者の特許をくぐり抜ける。同社は15年度、第2四半期まで成長が鈍化するとみられている。そして一方で大型製品がリリースされた。今年、来年と同社が第2の成長期に入れるか、興味が持たれるステージとなってきた。
(文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント)
※ 本連載記事が『間違いだらけのビジネス戦略』(クロスメディア・パブリッシング/山田修)として、11月13日に発売されます。
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