年末企画 この1年この会社の収支決算II
日立V字回復の舞台裏…“異例”人事と“大胆”グループ再編
原子力発電事業については日立がGEと事業統合し、三菱重工が仏アレバと提携しているため、今回、統合の対象から外れた。だが、新会社が世界市場で渡り合っていくには、原発事業の統合が絶対に必要になる。国内の新規の原子力発電所の建設が事実上、ストップしていることもあって、日立は海外での原発建設に大きく経営のカジを切った。GEと事業統合した原発事業を将来的にどうするのかが、日立の喫緊の経営課題である。日立が重工との火力発電事業の統合の先に「原発事業をどうするか」を見据えていることは間違いない。
その先には交通インフラや水処理、再生可能エネルギー部門の統合が見えてくる。一つ一つの実績を積み上げて、最終ターゲットである三菱重工との経営統合を目指す。
米GE、独シーメンスと互角に戦えるインフラ企業になる、という中西の野望が見えてくる。(敬称略)
(文=編集部)