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東芝、「サザエさん効果」はいつまで続く?不正会計問題より深刻な「体力不足」

文=島野清志/評論家
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 興味深いデータがある。国内経済メディアの代表格である日本経済新聞が総合電機大手3社を紙面で取り上げた回数(朝夕刊合計・広告記事を除く)だ。東芝の不正発覚前、2014年の1年間の累計で掲載件数は日立227回、東芝191回、三菱電機94回になる。東芝は日立の8割強、三菱電機の倍以上も記事として取り上げられているわけで、事業規模や業績と照らし合わせても頻出していることがわかる。問題の発覚後も日経新聞は東芝の一部事業のソニーへの売却(売却額は200億円)について「事業規模を考えればリストラと呼べるものではない」(証券アナリスト)との指摘があるにもかかわらず、1面トップ(10月24日朝刊)で報じており、特段の配慮は続いているようだ。

 世間一般への訴求力という面では、人気テレビ番組「サザエさん」(フジテレビ系)の存在は無視できないだろう。東芝といえばサザエさんを連想するほど、スポンサーとしての認知度は高い。とかくアニメが陥りがちなバイオレンス、ナンセンス、エロスの対極にある好感度抜群の内容とキャラクターが、東芝のイメージ悪化をある程度防いでいることは間違いあるまい。

 もっとも、実態が伴わなければ化けの皮はいずれ剥がれるものだ。前述したように、株式市場に通じる投資家の視点では、東芝はすでに再生に疑問符が付く銘柄なのである。
(文=島野清志/評論家) 

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