ロハコ、驚異的成長でアマゾン超えも?画期的取り組みの秘密 圧倒的地位獲得か
後発参入ながらも急成長を見せるロハコ
LOHACO(以下、ロハコ)をご存じだろうか? オフィス用品の通販を本業とするアスクルとヤフーが共同運営をしている、日用品を専門とした個人向けECサイトだ。2012年10月のローンチと後発参入でありながらも、累計利用者数はこの7月で早くも200万人を突破し、売上高は15年5月期に約200億円と順調に拡大している。
また、9月に実施された日経MJの「第4回ネットライフ1万人調査」でも、食料品・飲料で利用するECサイトとして、早くも大手小売系のイオンやイトーヨーカドー、生協系のパルシステムやコープネットなどを上回り、楽天・アマゾンなどに次ぐ4位にランクインしている。食料品・飲料の大手ECサイトが5~10年かけてようやく数百億円の売り上げを実現していることを踏まえると、これは驚異的なスピードでの成長といえるだろう。
大手メーカー50社を巻き込む、ロハコの生態系
とはいえ、売上高といった「規模」の点では、王者のアマゾンや楽天の数千億円に対して、ロハコは数百億円とまだ桁違いの状態ではある。しかしながら、配送スピードや送料など「質」の点では、すでにアマゾンや楽天と同等かそれ以上である。ロハコは、強みであるアスクルの物流システムを活用しており、関東圏や近畿圏では一部エリアを除き午前10時までの注文を同日の午後6時以降に届けることができる。送料も税込1,900円以上であれば無料になる。
それ以上に、ロハコは今後の成長性を大きく期待させる点を持っている。それは、独自商品(オリジナル商品)の充実だ。
商品価格や送料などの価格競争や、配送スピードなどのサービス競争は現時点では各ECサイトで差は見られるものの、これらの改善には限界があり、遅かれ早かれ各ECサイト間での足並みは揃ってくるものと考えられる。その際に、差別化の決め手となり得るのが、独自商品の充実だ。この点で、ロハコの動きには目を見張るものがある。
たとえば、売れ筋カテゴリーである「水」では、群馬県の嬬恋銘水を完全子会社化して「奥軽井沢の天然水」を発売、「米」では北海道の美唄・岩見沢エリアで栽培した「ゆめぴりか」の原料玄米を扱った「ろはこ米」を販売している。また、カルビーとは「フルーツグラノーラ」のリピート購入者に向けた高価格帯の新商品の先行販売、キリンビールとは苦味を抑えた女性向けビール「キリン オフホワイト」の店舗における本格販売前のテストマーケティングとして先行販売などを実施している。