ロハコ、驚異的成長でアマゾン超えも?画期的取り組みの秘密 圧倒的地位獲得か
このような活動の母体となる仕組みが、ロハコ内の研究所だ。ロハコは14年2月に「LOHACO ECマーケティングラボ」を開設、ロハコ内での顧客の行動や購買履歴をはじめとするビッグデータを活用し、新商品開発などの取り組みを開始した。ここには、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)日本法人や味の素、日清食品など日用品・食料品の大手メーカー12社が参画した。
さらに、15年2月からは同研究所の第2期活動を開始し、アサヒ飲料や伊藤園、江崎グリコ、カゴメ、キリンビバレッジ、資生堂をはじめ、なんと約50社もの大手メーカーが参画し、効果的な販促施策や新商品開発などに取り組んでいる。
アマゾンとロハコの商品開発の違い
アマゾンも13年10月に限定商品ストアを立ち上げ、日清シスコとはフルーツグラノーラ、伊藤園とはボトルコーヒー、カゴメとはトマトジュースなど、メーカーと共同で独自商品開発を進めているものの、ロハコとはアプローチがやや異なる。アマゾンは、あくまで自社の検索データを活用した商品開発を行う。例えば、日清シスコと共同開発したシリアルでは、検索データから「砂糖不使用」「甘さ控えめ」を求める利用者のニーズを捉え、それを元に製造工程の中で砂糖(ショ糖)を使わない、「砂糖不使用フルーツグラノーラ」を完成させた。一方、ロハコの場合は、ロハコ内の検索データだけでなく、各社の保有するデータや実際に先行販売して得られたデータなどを基にしながら、緻密な商品開発をしている。
データ連携により、さらに進化をするロハコ
データ活用には大きく、最適化(効率化)と需要創造(イノベーション)の2パターンあるが、ロハコでは今のところ後者の需要創造の取り組みを強化しているといえる。前述したように、ECサイトであれ、リアル店舗であれ、売り場の魅力を大きく左右するのは、独自商品の品揃えになってくる。セブン&アイ・ホールディングスやイオン、アマゾンなどは、自社の売り場における圧倒的な売り上げを武器にメーカーとの共同開発を実現しているが、ロハコはそれとは異なり、「データを活用したマーケティングの研究・実践」ができる場(プラットフォーム)を研究所というかたちで提供することにより、多くの有力メーカーとの関係構築に成功している。
また、ロハコとメーカーの協力は、より深いものへと向かっていく兆しがある。