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村澤典知「時事奔流 経営とマーケティングのこれから」

ロハコ、驚異的成長でアマゾン超えも?画期的取り組みの秘密 圧倒的地位獲得か

文=村澤典知/インテグレート執行役員、itgコンサルティング 執行役員

 たとえば、10月末からはP&G日本法人と本格的なデータ連携を開始した。会員370万人のP&Gのコミュニティーサイト「マイレピ」の会員が、ロハコ上で「Yahoo! JAPAN ID」を登録しTポイントを取得できるようになることで、会員IDの紐付けがなされ、ある顧客がロハコやマイレピ上でどのような商品に興味関心を持ち、どのような行動を取っているかを詳細に把握できるようになる。このように、一時的な商品開発ではなく、データ連携による継続的なデータ収集・活用にまで踏み込んだ協力体制ができあがると、お互いに質の高い商品開発ができるようになるだろう。

 ロハコは、現状は数百億円規模ではあるが、大手メーカーとの関係を構築・維持し、マーケティングの共同プラットフォームをより強化させることができれば、自ずとそこから質の高い独自商品が数多く開発されるようになるだろう。その結果として、ほかのECサイトを寄せつけない圧倒的なECサイトへと成長する可能性を秘めている。

 さらに食品・日用品以外のカテゴリーにおいても、データを軸に外部メーカーを巻き込むプラットフォームを構築することができれば、後発でも同様に成功できる可能性は残されている。
(文=村澤典知/インテグレート執行役員、itgコンサルティング 執行役員)

村澤典知

村澤典知

インテグレート執行役員、itgコンサルティング執行役員。一橋大学経済学部卒。トヨタ自動車のグローバル調達本部では、調達コスト削減の推進・実行を中心に、新興国市場での調達基盤の構築、大手サプライヤの収益改善の支援に従事。博報堂コンサルティングでは、消費財・教育・通販・ハイテク・インフラなどのクライアントを担当し、全社戦略、中長期戦略、マーケティング改革、新規事業開発、新商品開発の導入等のプロジェクトに従事。A.T.カーニーでは、消費財・外食・自動車・総合商社・不動産・製薬業界などの日本を代表する企業のグローバル成長戦略、中期経営計画、マーケティング改革(特にデジタル領域)、M&A、組織デザイン、コスト構造改革等のプロジェクトに従事。2014年より現職。大手メーカーや小売、メディア企業に対し、データ利活用による成長戦略やオムニチャネル化、新規事業開発に関する戦略策定から実行までの支援を実施。


株式会社インテグレート

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