消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
また、今年のJリーグ新人王を獲得した浅野拓磨選手と契約した際も、他チームのスカウトを驚かせた。サンフレッチェの下部チームで大切に育てていた野津田岳人選手と同じフォワードのポジションだったからだ。野津田選手は、広島の至宝ともいわれ、年代別日本代表に選ばれ続けていた。しかし広島のスカウトは、「競争して切磋琢磨するのが野津田のためにもいい」と明言したという。
マツダも、地元出身の技術者を鍛え上げて成果を上げている。Perfumeも、アクターズスクール広島という、タレント育成組織の出身だ。
このように、広島スタイルの人材育成は、まず人材を選ぶスカウティングを経営トップ以下、チーム全員がとても重視して必死で取り組んでいる。そして、切磋琢磨する健全な競争を促している。一方で、辛抱強く使い続けて成長の機会を与えている。つまり、スカウティング(選別と勧誘)、競争、機会の提供という3つが、人材の育成と確保に大事だと学ぶことができる。
地方創生などで、東京のやっていることの縮小相似形の猿マネ作戦ではなく、この広島のようなやり方を、どの地方も進めてほしいと思う。また、改革を進めようとする企業においても、とても参考になるだろう。
(文=小林敬幸/『ビジネスをつくる仕事』著者)
Business news pick up
RANKING
17:30更新関連記事
2024.11.24 17:00
2024.11.24 13:10
2024.11.24 11:50
2024.11.24 06:00