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これに対し、CES全体を通して最大の存在感を誇るのは依然として韓国サムスン電子だ。テレビや白物家電、モバイルなどコンシューマー家電の多くの分野で世界トップクラスのシェアがある。20年までに全製品のIoT対応を掲げるサムスンは、プラットフォームの整備とパートナーの拡大を続けており、IoT時代でも覇権を握ろうという姿勢が明確だ。
サムスンの基調講演にはパートナー各社が登壇。コンシューマーとB2Bの両面でIoTを拡大させる意気込みが感じられた
CES 2016ではパナソニックも面白い。スマートホームのプラットフォーム「Ora」を発表し、ドアの鍵や照明、空調から音楽までひとつのアプリで制御できる、住宅の未来像を実演した。日本企業はものづくり重視でソフトウェアに弱いとの指摘も少なくないが、IoTプラットフォームでどこまで巻き返せるか注目だ。
パナソニックもスマートホームのプラットフォーム「Ora」を発表。アプリから家庭内のさまざまな設備をコントロールできる
精彩を欠いたソニー
各社ともにそれなりに見どころのあったCES 2016だが、明らかに精彩を欠いていたのがソニーだ。例年通り大型のブースを出展し、プレスカンファレンスは立ち見が出るほどの盛況だったが、蓋を開けてみれば盛り上がりに欠ける内容だった。
ソニーのプレスカンファレンスには平井一夫社長が登壇、「Kando」(感動)をもたらす製品づくりという方向性を再び示したが、目の覚めるような新製品は登場しなかった
プレスカンファレンスでCESがいかに巨大なイベントか語り始めた平井社長だが、わざわざソニーから聞きたい話ではなかった。優秀なカメラ性能もアピールしたが、デジカメの新製品が出たわけでもない。このあたりで筆者の周囲では、船を漕ぐ報道関係者が続出した。
後半では4Kハンディカムの新製品やハイレゾ用ヘッドフォンなど、いくつか目新しい情報は出たものの、期待されていたモバイル製品や「PlayStation VR」への言及はなく、山場を迎えることなくイベントは終了した。
ブースの展示内容も厳しい。「Xperia」シリーズのスマートフォンや日常空間を変える「Life Space UX」、新規事業創造プログラムの「MESH」や「wena wrist」など展示内容は多彩だが、多くは「IFA 2015」からの流用が目立った。テレビではHDR時代を見据えた次世代バックライト技術など光るものはあったが、ブース全体に停滞感が漂っていた印象だ。
ソニーは例年通り大型ブースを出展したが、15年9月の「IFA 2015」のソニーブースからの流用とみられる展示が目立った
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