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高橋篤史「経済禁忌録」

不正とデタラメ投資オンパレードのあのファンド疑惑!破産の系列証券に強制調査、資金消失

文=高橋篤史/ジャーナリスト

次なる不正行為の導火線か

 ユニバンクスをめぐる不祥事はまだある。その後の04年10月に代表取締役の座を引き継いだのは三井物産や外資系金融機関を渡り歩いた菊地博紀氏だったが、同氏が11年6月に転じた先は、やはり株式関係者の間でお騒がせ企業として知られていたアイビーダイワ(現・グローバルアジアホールディングス)だった。案の定、菊地氏は解任騒動にまみれ、会社は増資金2億円が行方不明になった挙げ句、上場廃止に追い込まれた。単なる偶然なのか、ユニバンクスはオプティファクター破綻の1カ月前、昨年10月に破産している。

 こうした不祥事にありがちなことだが、児泉氏の公私混同ぶりも災いの元だったようだ。レセプト債ファンドの運用を始める直前の04年3月、オプティファクターは社宅の名目で東京・成城に不動産を取得している。簿価1億5000万円というその物件は、児泉氏の自宅として使われた。児泉氏の親族とみられる後任社長に対する貸付金も、5億1500万円が未回収のままだ。

 そこかしこで不透明な資金集めやその結果としてのトラブルが続発している闇の金融ネットワーク――。オプティファクターはその結節点のひとつだったのかもしれない。

 9日には、証券監視委がアーツ証券を金融商品取引法違反の疑いで強制調査したことがわかった。監視委は刑事告発の可能性も含めて調査を進める構えともされる。負の連鎖を断ち切るには、徹底した捜査が望まれるところだ。
(文=高橋篤史/ジャーナリスト)

高橋篤史/ジャーナリスト

高橋篤史/ジャーナリスト

1968年生まれ。日刊工業新聞社、東洋経済新報社を経て2009年からフリーランスのジャーナリスト。著書に、新潮ドキュメント賞候補となった『凋落 木村剛と大島健伸』(東洋経済新報社)や『創価学会秘史』(講談社)などがある。

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