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「知名度向上を狙ったからです。 ANAは国際的には、JALに比べて知名度は低い。今回、最新鋭の787のローンチカスタマーとなることで話題を呼び、知名度やブランド力を高めたかったのでしょう。ところが脱出シーンが世界中のテレビで繰り返し放送されたことで、逆に危険な航空会社というイメージが広まってしまいました。加えて、機体全体の約35%の部品製造を日本企業が請け負っており、『日本のものづくり+日本の航空会社』ということで、利用客増の呼び水になるのではとANAは大きな期待を寄せていた模様です。結果的に、今のところはそれがアダとなってしまった格好です」(B氏)
一方、ここ数年ライバルのエアバスに納入機数で後塵を拝してきたボーイングにとっても痛手だ。787の受注残は約800機もあり、12年の納入機数で10年ぶりにエアバスを上回ったが、今回のトラブルで冷や水を浴びせられる格好となった。
ANA、JALともに事業戦略の修正を迫られる可能性も出てくるとの報道もあるが、両社の経営に与える影響はあるのか?
「運航停止が長引けば、航空会社には大きな損失が発生します。その費用の補償については、各航空会社とボーイング社の契約で取り決められ、守秘義務があるのでうかがい知れませんが、最終的にはメーカーであるボーイング社が負担することになっている可能性も高いです。そうなっていれば、長期的に見れば、航空会社が大きな損失を受けるといった事態にはならないでしょう」(C氏)
いずれにしろ、“Dreamliner”の愛称を持つ787は、日本の航空会社、部品メーカー、そして旅客機利用者に、悪い夢を見せてくれた。
(文=編集部)
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