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経営者がKY(空気を読めない)になった結果、惨めな最後を迎えたという例は枚挙にいとまがない。
古くはダイエー、ヤオハンジャパン、セゾングループ、そごう、そして直近ではセブン&アイ・ホールディングスである。それぞれ業界のなかでは確固たる地位を占めた立派な経営者ではあったが、権力の座に長く留まりすぎた結果として会社の舵取りを誤った。
経営者にとっての最大の仕事といえる「自分を超える後継者の育成」もできなかった(または、やらなかった)。経営の失速を招き、経営者は満身創痍で退場を迫られた。全盛期の時の名声が華々しければ華々しいほど、引退時期を誤った経営者の末期は惨めであり哀れである。
セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長の場合は業績低下ということではないが、その引き際は(少なくとも諸々のマスコミ報道から受ける感じでは)あまり美しい最後とは考えられない。
そう考えてくると、経営の世界であれ政治の世界であれトップに求められる最重要の人間的資質は才能と実績に裏付けられた「自分の旬度を見極める力」と、人から惜しまれている間に後進に道を譲るという「撤退力」ではないかと思う。もう一度繰り返す。
「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗する」のである。
(文=新将命/国際ビジネスブレイン代表取締役社長)
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