消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
アメリカの政治家で事業家だったベンジャミン・フランクリンは「タイム・イズ・マネー(時は金なり)」という言葉を残したが、私は「タイミング・イズ・マネー(タイミングは金なり)」と考えている。
完璧主義を目指すのはよいが、あまり舵取り変化に時間をかけすぎると流れについていくことができない。経営学には「収穫逓減の法則」があるが、私はビジネスの世界には「思考逓減の法則」があると信じている。
ある問題について、真剣に考え議論するのは望ましいことである。市場調査や消費者調査を行うのもよい。だが、経営環境がドッグイヤーもどきに急変・激変・大変しているなかでは、我が社のビジネススモデルや戦略、それに伴う経営資源配分も大胆に、そして迅速に変化させなければ欧米企業はおろか、中国、韓国、台湾の企業にも負けてしまう。
スピードという実行の速さの「鬼」にアジリティーという変わり身の早さの「金棒」が加わるとまさに「鬼に金棒」となり、そこには勝ち残る企業が生まれる。
「生き残るのは最も強い者でも、最も賢い者でもない。変化に最も迅速に対応できた者である」
これは自然科学者チャールズ・ダーウィンの言葉である。もっとも、ダーウィンの書いたものにはそんな言葉はないないという人もいるので、果たして本当に言った言葉かどうか、真偽のほどはわからない。いずれにせよいえることは、大変の時代のなかで、アジリティー(迅速な変わり身)に欠けた会社は、負け犬になるだろうということである。日本企業は「速く」て「早い」会社にならねばならない。
(文=新将命/国際ビジネスブレイン代表取締役社長)
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