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つまり、コルセンは「労働者にとっては融通が利く仕事」と書かれてあり、これはアマゾンを例にした「無理な働き方を強いられる労働」とは、正反対のものだ。そこまで100ページ以上、いったいなんのためにコルセンの話を書いてきたのか、まるで意味がわからない結論である。
過剰サービス労働を批判したいのであれば、コルセンではなく、アマゾンなどの企業を取材するべきだったのではないだろうか。この内容では、コルセン勤務経験者が違和感を覚えるのも当然であり、著者の取材に応じたコルセン関係者にも失礼に思える。
もっとも、同書にも良い点がまったくないわけではない。カルビーや情報工房が行っている新たな取り組みを紹介した部分は、コルセン業界の問題解決に光明を示す有意義な情報になっている。
著者が「持論を語りたい」という気持ちを抑え、客観的な視点で取材を重ね、なにより、もう少し「コルセン業界の現状を憂う気持ち」があれば、同書はより素晴らしいものになっていたはずだ。そして、今回紹介したコルセン経験者たちの読後感も、もっと違ったものになっていただろう。テーマは良いだけに、つくづく残念である。
(文=旭マチ子/清談社)
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