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さらにアースコムでは、価値観を統一するため、「言葉の定義」にも200時間以上をかけて社員教育しているという。たとえば、「愛」という言葉ひとつとっても、その定義を統一させているのだ。「愛」ならば「関心を持つこと」というように、仕事以外の言葉でも数百個の定義を揃え、コミュニケーションによる誤解が生じないようにしている。
また、冒頭紹介した掃除を徹底することにも深い意味があった。丸林副社長は、その狙いを次のように語る。
「ルールにはストレスを低減するだけでなく、ストレスを与える役割もあります。掃除や整理整頓のような作業は小さなストレスを生みますが、日常的に小さなストレスを無理なく受ける訓練をしていると、トラブルが起こったときのような大きなストレスにも耐える心が自然に鍛えられるのです」
実に科学的な考えである。神は細部に宿るというが、会社のレイアウトから掃除や整理整頓、細かなルールづくりや言葉に定義に至るまで、ここまで徹底している会社は多くはない。
しかも、それによって会社に一本筋の通った清々しく明るい統一感を生んでいる。またアースコムは、結果を出す社員に十分に報いる給与ルールもある。さらに、多くの女性社員が生き生きと働いているが、それも社長が女性の働きに十分に報い人生設計(金銭面を含めた)もアドバイスする姿勢があるからだ。
また、今年6月1日には東京・人形町に新しいオフィスをオープンするが、そこも入り口がガラス張りで、オフィス全体が見えるようになっている。首尾一貫した経営哲学を貫くアースコムの姿勢には、全国の中小企業が学ぶべき点が多くある。
(文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネス・プロデューサー)
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