FC店の契約内容を見直し店舗拡大へ
上田氏の鼻息はめっぽう荒い。
朝日新聞のインタビューで、店舗数を2万店に増やす時期を「今後3年をめどとする」と述べた。これまでは「統合後5年以内」としていたが、出店計画を前倒ししたかたちだ。セブンに対抗できるチェーンにするには、規模を拡大する必要があると考えているからにほかならない。年間1500店という出店ペースを落とさず、閉鎖は700店前後に抑え、早期に2万店を達成するつもりだ。
店舗増の具体的な方法も考えている。シニア層をオーナーに起用することによって店舗を増やす。そのため、フランチャイズチェーン(FC)加盟店のオーナーになれる条件を緩和した。これまでは原則として55歳が新規契約の上限で、10年契約の65歳までだったが、これを見直した。
新しい条件では、5年ごとに契約を更新すると同時に、70歳から新たに契約することも可能にし、75歳まで働けるようにした。高齢化が進むなか、定年を迎えたシニア層をオーナーに取り込み、出店の拡大につなげるのが狙いだ。
セブンは契約期間が15年で、新規契約の上限は60歳。ローソンは14年に年齢の上限を55歳から65歳に引き上げ、10年契約で75歳まで働けるようにした。
ファミマも75歳まで働けるようにすることで足並みが揃った。70歳からでも新規契約ができるところがポイントだ。
一方でファミマは「インターン社員独立制度」を設けた。インターシップに参加して研修を受ければ、単身者でもオーナーになれる。採用時の年齢は20~54歳が対象で、インターン社員として半年から1年、直営店での勤務で経験を積み「スタッフトレーナー」として認められれば加盟できる。加盟金(通常50万円)や開店準備手数料(同100万円)が免除されるほか、最大で120万円の独立支援金をもらえる。
FCのオーナーの争奪戦は激烈だ。
日販はセブンが圧勝
コンビニの優劣の決め手をなるのは日販だ。日販とは1日の平均売り上げのことで、各社を比べてみるとセブンが抜きんでている。16年2月末の日販は、セブンが65万6000円、ローソンが54万円、ファミマが51万6000円、サークルKサンクスが43万1000円となっており、圧倒的な差がついている。
ファミマは、買収により店舗数ではセブンと真っ向勝負できる規模になるが、稼ぐ力ではセブンとの実力差が歴然としている。新しいファミマの日販が、サークルKサンクスの実績に足を引っ張られて下がるのではないかと懸念するアナリストもいる。