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山田修「間違いだらけのビジネス戦略」

大塚家具、赤字転落でも「戦略なき経営者」久美子社長と元会長の実父は1億円の収入

文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント

 そして、今回の下方修正を受けて、株価はまた1000円に近づいてきた。つまり、何年も掛けて久美子社長がようやく手に入れた経営権も、株価的にはむなしい推移というほかはない。

 また、株主総会における支援獲得争いで久美子社長は一株当たり80円の配当を公約した(勝久氏は120円)。会社は赤字でも配当資産があれば配当していいので、赤字見込み修正となってもそれは実行される。

 大塚家具の筆頭株主はききょう企画で189万株、個人株主では勝久氏と妻の千代子氏が合わせて223万株。ききょう企画の代表取締役は久美子氏だ。わかりやすくいえば、久美子氏側には1億5000万円、勝久氏側には1億8000万円ほどのキャッシュがこの赤字会社から渡されるということだ。私が株主なら、久美子社長が退陣しても惜しむことはないだろう。
(文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント)

※ 本連載記事が『間違いだらけのビジネス戦略』(クロスメディアパブリッシング/山田修)として発売中です。

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

経営コンサルタント、MBA経営代表取締役。20年以上にわたり外資4社及び日系2社で社長を歴任。業態・規模にかかわらず、不調業績をすべて回復させ「企業再生経営者」と評される。実践的な経営戦略の立案指導が専門。「戦略カードとシナリオ・ライティング」で各自が戦略を創る「経営者ブートキャンプ第12期」が10月より開講。1949年生まれ。学習院大学修士。米国サンダーバードMBA、元同校准教授・日本同窓会長。法政大学博士課程(経営学)。国際経営戦略研究学会員。著書に 『本当に使える戦略の立て方 5つのステップ』、『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略』(共にぱる出版)、『あなたの会社は部長がつぶす!』(フォレスト出版)、『MBA社長の実践 社会人勉強心得帖』(プレジデント社)、『MBA社長の「ロジカル・マネジメント」-私の方法』(講談社)ほか多数。
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