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2023.05.29 03:06
2016.06.28 00:13
宮永博史「世界一わかりやすいビジネスの教科書」
常識破りの肌ラボ、異例ヒット生んだ「自由すぎる」ロート製薬の変人経営…社内序列排除
当時まだあまり知られていないヒアルロン酸をたっぷり入れて保湿効果を高めつつ、価格は求めやすい1000円に抑えている。コストを削減するため、化粧品には常識であった外箱をなくし、成分を記載したシンプルなパッケージとし、香料・着色料を一切使用していない。化粧品の常識に挑戦するものであった。
結果は、わずか半年で15億円を売り上げるヒット商品となったのである。10年後には140億円を売り上げるまでに成長したが、そのきっかけは山田会長がふらっと立ち寄って加わった雑談だ。
草の根レベルのオープンイノベーション-副業を許容する-
そのロート製薬がまた新たな試みを発表した。社員の副業を認める「社外チャレンジワーク制度」だ。終業後の時間や休日を使って社外で働くことを容認するというものだ。この2月に入社3年目以降の国内正社員1500人を対象に応募を開始したが、60人強の応募があったという。薬剤師の資格を生かしてドラッグストアで働き始めた社員や、出身地の地ビールの製造販売を目指してベンチャーの設立準備を始めた社員もいるという。
兼業は社外だけではない。社内で複数の部署や担当を兼務する「社内ダブルジョブ」制度も始めている。こちらは30人ほど応募があり、化粧品と目薬を担当したり、営業部とマーケティング部、マーケティング部と人事部を兼務したりする社員も出始めた。
企業はさまざまな理由から兼業禁止をうたっているところがほとんどであろう。その一方で、オープンイノベーションを口にしたりする。社外での副業や社内での兼業を許容するというのは、企業がオープンイノベーションに真剣に取り組んでいる証拠なのではないだろうか。
(文=宮永博史/東京理科大学大学院MOT<技術経営>専攻教授)
【参考文献】
1.「ロート 副業60人強 新制度応募『社内兼務』には30人」、日経産業新聞2016年6月15日
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