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ところが実際は、新電力のなかで善戦したのは、自前の火力発電所を稼働して電気料金の安さ、セット割引をアピールするガス会社や石油会社ぐらい。グリーン新電力はどこも苦戦している。その一因としては、グリーン電力も専用の電線を介して契約者に供給するわけではなく、既存の電力会社の電線のネットワークを介して「託送」してもらうため、発電の時点ではたとえグリーン新電力100%であっても、送電の途中で稼働中の原発からの電気、火力発電所からの電気と混ぜられてしまい「無意味」だという現実がある。また、グリーン新電力はもともと発電能力に限界があり、しかも昼夜の差、季節や天候によってそれが変動するため、契約をあまり取りすぎても供給に支障をきたす恐れがあった。
というわけで、「最後の一縷の望み」だった4月の電力小売自由化も不発に終わり、太陽光発電はいよいよせっぱ詰まった。
倒産数は過去最高更新の勢い
日本製のソーラーパネルは、国内市場の成長頭打ちに加え中国製との価格競争も激しく、利益が出せなくなっている。京セラはメガソーラー向けソーラー事業が主力のファインセラミック応用品関連事業のセグメント利益が15年3月期、前期比90.6%減の31億円まで落ち込んだ。16年3月期では163億円まで回復したが、セグメント売上高は10.8%減の2ケタ減収だった。
シャープは、ソーラー事業が属するエネルギーソリューションの16年3月期のセグメント売上高は42.1%減。セグメント利益は15年3月期が626億円の赤字、16年3月期は184億円の赤字だった。経営危機でソーラー事業の売却が取り沙汰されたが、再建スポンサーの鴻海(ホンハイ)精密工業は5月に「事業継続」の方針を表明した。
数年前に兜町をにぎわせた太陽光発電関連銘柄は、業績も株価も見る影もなく低迷している。ソーラー設置工事のウエストホールディングスは今期、2期連続の減収減益を見込む。株価は13年10月のピークの約3分の1。エナリスは14年12月期、15年12月期と2期連続の赤字決算。有価証券報告書虚偽記載というスキャンダルを起こし株価は14年1月のピークの7分の1以下。住宅用ソーラーの高島の16年3月期決算は減収減益で今期も減益が続く見通し。株価は12年6月のピークの半分以下になった。
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