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2023.05.31 22:56
2016.07.28 00:12
山田修「間違いだらけのビジネス戦略」
パンツがバカ売れで絶好調のしまむら、成長終了の兆候…極限の超効率至上経営がアダに
ロードサイトでなく都市部、つまり都市中心への出店も検討している、ともしていたが繁華街への出店ということになると、従来型の店舗の大きさは確保できない、あるいは異型の床店舗への出店とならざるを得ないだろう。となると、しまむらのお家芸となってきたオペレーション経営の角を矯めて牛を殺すことになる。オペレーション経営の前提となっているのが各店におけるオペレーションの均一化、だからだ。
そこへいくと、ファストリの実質的創業者である柳井正社長の志は、やはり一目置くべきものがあると私は思う。ユニクロの海外店舗数は928店(16年5月現在)と国内のそれを上回り、大きく伸び続けているし、コントワー・デ・コトニエやプリンセス タム・タムなどのグローバル事業としては1366店舗も世界中に展開している。
一方、しまむらの海外事業といえば、台湾と中国に進出したとはいえ、その売上寄与率は1%にも達していないとみられる。
野中社長の興味は、現下好調なオペレーション経営のひたむきな精緻化にあると私には見える。しかし、国内の成長限界に近づいてきたしまむらの場合、それを超える大きな舵取りがなければ、早晩天井に突き当たるだろう。
14年期、15年期と創業以来の連続赤字に沈んだ後、16年期と17年期は好調の波がやってきた。18年期以後がその波が打ち返すサイクルとならなければ良いのだが。
(文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント)
※ 本連載記事が『間違いだらけのビジネス戦略』(クロスメディアパブリッシング/山田修)として発売中です。
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