朱色を基調にした外観もスタイリッシュなために、美容室かと通りすぎる客も多いというこの店は「京都ダイコクバーガー」だ。2010年12月にオープンし、マクドナルドやモスバーガーといったファストフードに飽き足らない消費者から支持を得ているという。
「昔でいう町の集会所のようなものを作りたかったのです」と語るのはダイコクバーガーを経営する株式会社ダイコクの代表取締役・今井重憲氏だ。実は今井氏の本業は建設業だ。本業である今井建設工業株式会社(公共・民間工事の、土木・建築等の請負施工)も順調だという今井氏が、ハンバーガーショップを経営するに至ったのには訳がある。亀岡市の活気が年々なくなっていることを感じていたからだ。
「亀岡市は人口は9万人台で、京都では京都市、宇治市に次ぐ第三の都市なのですが、京都市内まで車で1時間、電車で30分。大阪市内まで車で1時間半という距離のために、京都・大阪のベッドタウン化が激しい。モノを買うのも、食事をするのも、京都・大阪や沿線沿いのショッピングモールで済ませてしまうのです。コーヒーを飲みながら語り合えるような、昔でいう町の集会所のようなコミュニティを作りたかったのです」
大阪でハンバーガーショップを経営する知人からアドバイスを受け、独自のスタイルのハンバーガーショップを開店。スペシャルブレンドのコーヒーもある。その店名は「ダイコクバーガー」と名付けた。店名の由来も亀岡にちなんでいる。
「もともと亀岡には、由緒ある神社が数多く存在しています。わたしは宮司さんの友人が多く、なかでも亀岡インター入口の磐栄(いわさか)稲荷の宮司さん、『元出雲』と呼ばれる出雲大神宮の宮司さんとも親しくお付き合いさせていただいており、今回その出雲大神宮の宮司さんより七福神の大黒様にあやかり、『ダイコク』という名前を頂戴いたしました」
店の外観が朱色なのは、神社の鳥居の朱色をイメージしたという。たしかに、亀岡は日本一の縁結びとされる出雲大神宮や「元稲荷」と呼ばれる磐栄(いわさか)稲荷宮とパワースポットが多く、昨今のスピリチュアルブームで若い参拝客も増えている。そういった参拝客にとって、「ダイコクバーガー」もスピリチュアルコースの1つになっていくのかもしれない。 2012年3月には「ダイコクバーガー」の店名を「京都ダイコクバーガー」に改名。改名したのは東京への進出が念頭にあるためだ。
「東京・名古屋・大阪に進出して、京都のダイコクバーガーを知ってもらうことで、亀岡の歴史、パワースポットを知ってもらいたいと思っています。多くの人に注目されることで、活気あふれる町につながっていくと信じています」
朱色の店構えのありがた~いハンバーガーショップが、あなたの町にできる日も近いのかもしれない。
(文=松井克明/CFP)
京都ダイコクバーガー
住所 京都府亀岡市北古世町1丁目12—2
電話/FAX 0771—22-9408
営業時間 OPEN/10:00 CLOSE/21:00 LASTORDER/21:00
店舗施設 駐車場:有 子供椅子:有 喫煙スペース:有 ペット同伴可(テラス席のみ)
HP<http://daikoku-burger.com/>