「スペック」不足の男性は登録すら無理
しかも、男性の利用者には、さらに厳しい現実が待ち構えているという。
「男性が婚活市場に出ると、学歴や収入といった『スペック』で判断されてしまいます。スペックが高く、性格に問題がなければ、あっという間に結婚が決まるでしょう。逆に、スペックが低い男性、例えば非正規雇用など、これといった売りがない人は、そもそも婚活市場に出ていくことができません。大手の結婚情報サービスでは、ある程度の収入や社会的信用がない男性は、登録することさえできないのです」(同)
婚活市場において、男性の価値は容姿や性格などでは決まらない。あくまでも、学歴や収入といったスペックによって判断されるのだ。
「その点、女性にはスペックは関係なく、『スペックの高い男性にいかに気に入られるか』が最も重要です。自分の容姿を気にする女性も多いようですが、背の小さい女性が好きな男性もいれば、『背の高い女性がいい』という男性もいるわけです。だから、女性は婚活をすればするほど、自分を気に入ってくれる男性に出会う確率は高まるのです」(同)
経済産業省の統計データによれば、婚活ビジネスを利用して結婚に至った「成婚率」は男性8.4%で女性10.1%。膨大なお金と時間を投じて婚活に勤しんでも、結婚できるのは、そのうちの約1割しかいないのだ。
一方、山田氏によると、「何もしなければ、1年以内に結婚相手が見つかる確率は3%」という概算もあるようだ。つまり、「婚活したところで9割は結婚できない」と思うか、「婚活によって結婚の確率が3倍もアップした」と考えるかによって、婚活ビジネスに対する捉え方も変わってくるわけだ。
「就活と一緒です。確率が低いからといって、何もしなければ、状況はもっと悪くなる。この本質を理解しているのは、実は若い世代です。彼らの意識が、恋愛よりも結婚して安定した生活のほうを求めています。現在の日本は、恋愛にはあまり価値を置かない社会になってきているのです」(同)