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「馬氏が北朝鮮ビジネスを拡大していた時期は、北朝鮮のナンバー2だった張成沢氏が対中貿易を仕切っており、馬氏は張氏に近づき、かなり食い込んでいたとの情報も流れている。おそらく馬氏の美貌を使って、張氏を篭絡したとみるのが妥当ではないか」
ところが、肝心の張氏が処刑されたのに加えて、国連による対北制裁発動後も同集団の船舶が頻繁に北朝鮮の港湾を出入りしていることが偵察衛星の監視カメラによって捕捉され、米司法省当局者が北京を訪れ、調査を要請したことが馬氏の逮捕につながった。
米国内の資産凍結
米財務省は9月26日(米東部時間)、声明を発表し、「国連安全保障理事会の制裁対象である北朝鮮の朝鮮光鮮銀行に代わって大量破壊兵器の拡散に関わる金融サービスを提供していた」などとして、北朝鮮との事業を手掛ける中国の「遼寧鴻祥実業集団」の中核となる貿易会社「丹東鴻祥実業発展」とオーナーの馬氏ら中国人4人を制裁対象に指定したことを明らかにした。
この措置によって、馬氏や同社などの米国内の資産は凍結処分になる。財務省はあわせて、同社と子会社が所有する25の銀行口座を差し押さえるよう中国当局に要請している。中国当局はすでに同グループが保有する5000トン級の商船7隻を差し押さえており、馬氏はこれで全財産を失うことになる。
さらに、馬氏がこれまで多くの違法な対北朝鮮ビジネスを成功させることができたのは、馬氏は遼寧省の警察などの政法部門のトップら省政府の要人や税関幹部ら数十人に賄賂を贈り、税関での審査に手心を加えてもらっていたためだが、彼らもすでに逮捕され、取り調べを受けていることがわかっている。
中国ビジネス界の立志伝中の女傑にしては、最後はあまりにも哀れというほかはない。
(文=相馬勝/ジャーナリスト)
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