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ファストファッションの台頭を皮切りに、ショッピングモールやアウトレットモールの拡大、ZOZOTOWNなどのファッション通販の充実などにより、購買チャネルが多様化していきました。百貨店で衣料を買う必要性が低下しているといえます。
百貨店を再生させるためには、衣料の改革も大事ですが、その他の分野の強化が欠かせません。今後は、百貨店における衣料の拡大は望みにくいため、食品や雑貨といった分野を強化して衣料の低迷をカバーしていく必要があります。
特に食品を強化する場合、地域を絞ることが欠かせません。鮮度が重視される食品は、地域が絞られているほうが品質と効率を高めることができるからです。
そごう・西武の店舗は首都圏に集中しています。そのため、関西の3店舗をH2Oに譲渡することは理にかなった戦略といえるでしょう。H2Oは関西に基盤を置いているため、両社がWin-Winとなる提携だったのではないでしょうか。
セブン&アイの不振の原因は、百貨店事業だけではありません。イトーヨーカ堂も、16年2月期は139億円の営業赤字に転落するなど、問題を抱えています。セブン-イレブンは依然として好調ですが、成長は鈍化しています。いつブレーキがかかってもおかしくはありません。セブン&アイは正念場を迎えているといえそうです。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)
●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。
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