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三越伊勢丹、各店舗が軒並み売上減地獄突入の兆候…爆買い消滅で旗艦店も一斉に撃沈

文=編集部
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 伊勢丹相模原店(売上高229億円、売場面積2.9万平米)と伊勢丹府中店(同189億円、2.9万平米)は、閉鎖を決めた三越千葉店より落ち込みが大きい。伊勢丹松戸店(同192億円、3.2万平米)は、千葉店とほぼ同程度の落ち込み幅だ。

 三越伊勢丹は都心の旗艦3店で郊外店の不振を補ってきたが、旗艦3店はインバウンドバブルが弾け業績が悪化してきた。それで不振の郊外店の整理に着手せざるを得なくなった。

 三越伊勢丹HDは中期経営計画で「2018年度、連結営業利益500億円」の目標を掲げている。不振が続く地方・郊外店を整理し、経営資源を東京都心の旗艦店に集約して収益力の向上を目指すことになる。郊外店の閉店の次は、札幌丸井三越など国内のグループの地方百貨店10店の閉店が俎上に載せられる可能性が高い。

大手百貨店の地方店の閉店予備軍

 百貨店の国内売上高は91年の9兆7130億円をピークに減少が続いた。日本百貨店協会の調査によると、15年の全国百貨店の売上高は6兆1742億円で前年より0.2%減った。

 15年はインバウンド消費に沸いた1年だったが、その恩恵を受けた地域は限られた。売上高が前年を上回ったのは東京23区(3.4%増)、大阪市(1.6%増)、福岡市(0.9%増)の3都市のみだった。福岡市は、中国からのクルーズ船の寄港地となったことでインバウンド消費を押し上げた。だが、爆買いが終わり、インバウンド効果はもはや期待できない。今後は、ショッピングセンターやインターネット通信販売などに客足を奪われた、地方や郊外の百貨店が閉鎖に追い込まれる動きが加速する。

 大手百貨店が閉店を打ち出した店舗には共通性がある。マーケティング専門紙「日経MJ」の8月17日付記事『2015年度百貨店調査、店舗別売上高ランキング』に基づくと、店舗売上高150億円が閉店の境界線になっていることがわかる。

 セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武は、地方・郊外店4店を閉店する。そごう柏店(売上高114億円、売り場面積3.2万平米)、西武旭川店(同105億円、2.4万平米)、西武八尾店(同155億円、3.8万平米)、西武筑波店(同128億円、2.6万平米)である。

 阪急阪神百貨店を運営するエイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)は、大阪市の郊外にある堺 北花田阪急(同88億円、1.6万平米)を閉店する。

BusinessJournal編集部

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