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なぜ、和歌山なのか。和歌山が急浮上しているのは、自民党の実力者である二階俊博幹事長の影響力が反映されたものだと関係者たちは口を揃える。
「横浜財界の関係者たちは、カジノ誘致で二階詣でをしています。その際、『カジノは横浜と和歌山で』といった話も出ているようです」(前出・業界紙記者)
神戸や京都といった観光地を抱える関西地方のなかで、全国的に見れば和歌山は地味な存在と思われるかもしれない。しかし、和歌山は関西空港からの便も悪くなく、南紀白浜のようなリゾートも抱えている。昨今は訪日外国人観光客も増加しており、特に熊野古道は根強い人気を誇っている。それだけに行政関係者たちから、和歌山は訪日外国人観光客を呼べる観光地の優等生とも称される。「カジノを和歌山へ」は、決してあり得ない話ではない。
いくらIR法案が成立したからといって、無尽蔵にカジノが開設されるわけではない。カジノが乱立してしまったら共倒れになる。政界もカジノを開設する都市選びには慎重になっており、関係者の間では、「当面は2カ所」ともいわれている。
カジノが和歌山に決まったら、距離的に近い大阪にカジノは難しくなる。現在、和歌山のどこにカジノを開設するのかといった具体的な地名は浮上していないが、大阪を脅かす大きな存在になっているのは間違いない。カジノ構想が潰えれば、カジノをテコにして大阪経済の再生を訴えてきた橋下氏と大阪維新の会の思惑は大きく外れることになる。
IR法案の国会提出で、再び動きだしたカジノ誘致合戦。勝利をもぎ取るのは、どこの都市なのか。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)
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