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欧米とロシアのはざまで揺れる日本政府と銀行
そうしたなか、国際協力銀行(JBIC)がロシア最大手銀行のズベルバンクへの単独融資(約40億円)を決めたことに民間銀行は身構えている。ズベルバンクは欧米の対ロシア経済制裁の対象。それにもかかわらず、政府系金融機関であるJBICがあえてリスクをとって単独融資に踏み切る意図を測りかねているためだ。
JBICの融資は、最終的に極東の港湾運営会社に融資されるものだが、あえて、銀行(JBIC)が銀行(ズベルバンク)に融資し、それが当該企業に流れる「ツーステップローン」の形式が採られている。現地銀行を介することで貸し倒れリスクを抑えるのが狙いだが、欧米の反発を和らげたいとの配慮も滲む。
11月初旬には世耕弘成ロシア経済分野協力担当大臣が訪ロし、先の安倍首相・プーチン大統領会談で提案した8項目の経済協力プランの具体化に向けて関係閣僚らと協議した。しかし、政府関係者からは、「経産省が具体的なプロジェクトへの入札を企業に働きかけても、融資がつかないので応じられない」との声が漏れる。果たして民間銀行の融資は動きだすのか、タイムリミットは近い。
(森岡英樹/金融ジャーナリスト)
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