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赤字深刻なJR北海道、「在来線切り捨て」で公共交通の座捨てるのか、自業自得の不祥事続出

文=編集部
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 JR東海のリニア中央新幹線に安倍政権は3兆円の財政投融資を付けた。固定金利0.6%という超低利で11月29日に5000億円を融資した。2017年1月、3月にも5000億円ずつ融資し、17年度も複数回に分けて合計1.5兆円を貸し出す。

 融資総額3兆円は、2055年までにJR東海は全額返済するとしているが、民間融資より低利になるため、JR東海の負担は5000億円ほど減る効果があると国土交通省は試算している。

 しかも驚くべきことに安倍政権は無担保で融資を行う。石井啓一国交相は「焦げつくような事態は想定していない」としているが、今は好業績のJR東海も、リニア開業後はドル箱の東海道新幹線の乗客がリニアに流れて減る公算が大きい。その上、リニアは高コストであり、利益は減るとみられている。

 今国会でも「公的資金による特定企業(JR東海)への優遇策だ」との批判が出た。

 JR北海道の鉄路を維持するほうがJR東海のリニア新幹線より国民経済的には重要なのではないか。地域の公共交通をどう整備し誰が費用を負担していくのか。JR四国も、JR九州も、赤字路線がほとんどだ。JR北海道の苦境は3島会社に重い課題を突きつけている。

 JR北海道が「在来線の切り捨て計画」を公表することに国土交通省はどういう態度で臨んだのか。勝手に発表させて、放置しておいていいわけがない。公表に待ったをかける勇気が国土交通省にはなかったのか。

 石井啓一国土交通相は11月25日の閣議後の記者会見で、今夏の台風で被災したJR北海道に対し、復旧費として今年度予算の予備費から8億円超を出すと発表した。

 安全性向上のため16~18年度に支出する1200億円も、今回の復旧に使うことを認める。JR北海道が台風の被害の復旧に必要としている40億円のメドはこれで立ったが、この金額では本腰を入れた国の支援、税金の投入には程遠い。安倍政権はJR北海道を、本気で救う気があるのだろうか。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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